35 / 87
第五章・7
「本格的に寝入ってしまう前に、話しておきたいことがある」
「何でしょう」
「遥の、一日のスケジュールは改善すべきだ。このままだと、体を壊す」
「でも」
「解ってる。弟のために、金が要るんだろう? ちゃんと代わりの職を提案するよ」
了の提案とは、日中6時間働いているコンビニを辞めて、2時間ジムで体を動かす、といった内容だった。
「空いた4時間は、体をゆっくり休めるんだ」
「ジムにお勤めするんですか?」
「そうじゃない。私と一緒に、ジムに行くんだ。独りでは、つまらなくてね」
ジムに付き合ってもらったら、週休二日で日給1万円を支払う、と了は言う。
(日給1万円!?)
一日2時間で!?
「それは願ってもない話ですけど。僕、了さんのトレーニングにお付き合いできるんでしょうか」
体脂肪率12%の了だ。
かなりハードな運動をしているはず、と遥は考えた。
ともだちにシェアしよう!