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第十一章・5

「は、遥……」 「抱いてください、了さん。お願い」  夢中で貪って来る遥に、了も観念した。  舌を差し入れると、すぐに彼の細い舌が絡んでくる。  長い熱いキスを終え、了は遥をベッドにいざなった。 「後悔しないな?」 「ああ……、早く……」  今の遥は、普通じゃない。 (そして、私もだ)  遥は自分でバスローブを脱ぎ素裸になると、了のベルトを外してペニスを掴み出した。  すぐに口に含み、愛し始める。  手を、唇を、舌を使い、巧みに了を昂らせていった。 「巧くなったな、遥」 「んぁ、ふぅ。んんぅ、ん、ふっ」  幾多の客に施し、こんな技巧が身についたなんて。 「遥、もう客は取るな。妬きもちで焦がれそうだ」 「準備、できましたね。早く抱いて……」  まるで噛み合っていない会話を交わしながらも、了は遥を愛していたし、遥は了を求めていた。  仰向けに寝かせ、遥の脚を大きく広げる。  中心の蕾は紅く染まり、ひくひくと物欲しげに蠢いていた。 「挿れるぞ」 「あ、あぁ。はぁ、あ! あぁああ!」  了が中に挿入るたびに、遥は背を反らせて悦がった。

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