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慰め ※
その日の夜のこと。夕飯を食べて、風呂に入って、スマホのチェック‥いつもと変わらない動作をして、オレはベッドに横になる。あとは寝るだけ、いつものことだ。
‥だけど今日は何かおかしい。
身体が火照って全く眠れない。目を閉じると今日の出来事が鮮明に蘇って、息が上がる一方で。
「はぁ‥っ何だよ、コレ‥っ」
今までたくさん修作先輩と抜き合ってきたけど、こんなこと今まで1度もなかった。荒い呼吸を何度も繰り返して、それでもいよいよ我慢できなくなったオレは、下半身へおずおずと手を伸ばす。昼間出したにも関わらず、触る前から先走りがダラダラと溢れ、下着はもう使い物にならなくなっていた。
「‥っ、はぁ‥っん、ん‥」
身体は貪欲に快感を求め、オレは手の動きを止められない。前だけじゃ全然足りなくて、そのままゆっくり後ろへと指を滑らせた。自分の粘液で濡れた指で疼く部分を弄ると、もうずいぶん久しぶりなはずなのに、すぐに解れた事に泣きたくなった。だけど今は、このままこの快感に溺れてしまいたいと言う気持ちのほうが強くて、オレは夢中で指を動かした。
目を閉じると、いつか見た夢を思い出した。声も顔も曖昧だったあの夢の中の人物は先生だとばかり思っていたけれど‥そうじゃない。今ははっきりと分かる。あれは修作先輩だった。
今もそうだ。オレの頭の中で先輩は優しく微笑んでくれて、力強く抱きしめてくれて、そして顔を近づけると迷いなく唇を重ねてくれる。
オレが望んでいる都合の良い妄想。
『一ノ瀬‥』
そう呼ばれた気がした。耳を擽るその囁きに全身電気が走ったかと思うと、一気に身体が熱くなる。
「あぁ‥ん、あ‥‥っ、ぱい‥‥修作先輩‥っ!」
その声に応えるように先輩の名前を呼んで、オレは全てを吐きだした。
倦怠感と罪悪感が入り交じり放心状態のオレは、まだ熱っぽい身体を起こすことができずただぼーっと天井を見つめる。ゆっくりと目を閉じると、そのまま深い暗闇の中へ落ちていった。
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