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第2話 悪夢
俺は眠るのが怖い。
嫌な事を全部思い出すからだ。
トラウマは悪夢となって俺を襲う。
レイの広い背中を抱いたって、悪夢が消えるわけじゃない。
でも、起きた時に、『夢だったんだ』と思いたいだけだ。
誰かが俺を担ぎ上げる。
朦朧とした意識が徐々にはっきりとしてくる。
手は縛られ、口は閉ざされ、足も縛られている。真っ暗で何も見えない。
そもそも、なぜか体が鉛のように重くうまく動かない。
どこかに乱雑に降ろされると突然視界が開ける。眩しい光のさきに数人の男達。周りを囲んでニヤニヤと俺を見つめる。
「こりゃ良いもん拾ってきたな。高く売れるぜ?」
「売る前に品定めが必要だろう?」
1人の男がそう言って俺の口貼ってあったテープのようなものを剥がす。
「痛い!」
そうとっさに声を上げると、男は嬉しそうに話す。
「こいつ口がきけるみたいだ。見たところ欠損もない。」
男は俺をまじまじと見つめる。
俺は、人として見られていない。
品定めをされているんだ。
「珍しいなぁ、赤い目をしてやがる。赤い目はいくらだ?」
後ろにいた男に問いかける。
「赤い目は値段載ってねぇなぁ。こりゃ値段つけなくてもオークションの方がいいかも知れん。」
男は何か文字が書いてある紙を見てそう答えた。
再び視線を戻した男は俺の体をぐるぐると回りながら見つめる。すると突然ぼろぼろになった服を引き裂いた。
「やめろ!何するんだ!」
子供ながらに威嚇する。きっとこれから嫌な目にあう。そんなのは一目瞭然だった。
「血ぃ抜いとけ。検査に出す。その結果次第で値段もおおよそわかるだろう。」
先ほどから俺をジロジロと見つめる1人のリーダーのような男が指示をすると、別の男が注射器を持ってくる。
自然と体が強張る。
すると別の男2人が俺の体を押さえ込んだ。
「やだ!はなせ!」
暴れるが、10歳にもならないガキの力じゃ抵抗にもならない。
腕の皮膚の上にぷつり針が刺さると手際良く血を抜かれた。
子供の俺は恐怖でいっぱいにな涙がポロポロとこぼれ落ちてくる。
「次のオークションまで半年以上ある。しっかり躾けとけよ。」
そういうとリーダー格の男は注射器の血を小瓶に移して持ち去った。
残った男たちの前で素っ裸のまま涙を流してビクビクと怯えた。
羞恥と屈辱、そして恐怖。
この頃の俺は、怯えることしか出来なかった。
「ちゃんと躾けるからな、良い子に言うこと聞かないと、痛い目あうぞ?」
ニヤついた男の1人がそういうと、俺の前で服を脱ぎ始めた。
他の男も同様に服を脱ぐ。
脱いだ男の1人が指に何か液体を塗ると自身の膝で俺の股に割って入り、ケツの穴に指を入れた。
「やだっ!やだぁ!神様!神様!助けて!!やだ!」
泣きじゃくる俺見て嬉々とした表情を浮かべながら男は穴をほぐす様に指を動かした。
「こうやって自分で解すんだよ。体に染みつくほど躾けてやるからな。これから毎日お勉強だ。楽しみだなぁー」
周りの男たちと一緒に笑う。
「痛い!やめてよ!もうやめて!」
泣きじゃくりながら懇願する。だが男たちはそんな俺を見て喜ぶばかりで手を止めようとはしなかった。
「そろそろいいか?」
後ろで待っていた男の1人がそそり立ったモノを俺のケツ擦り付ける。
「やだやだやだ!」
首を必死に横に振るもゆっくりと男の太いそれが入ってくる。
「...い゛っ...いた、あっ..!」
体の全ての臓器が上に押し上げられるように自然と身体がのけぞる。
声にならない声が無常に部屋に響く。
最後に俺の腰を掴んでぐっと引き寄せられた時に、自分の頭ん中で何かが壊れた気がした。
何かわからない感情が頭を巡る。痛さでいっぱいだった心が、心臓がバクバクと脈打ちながら息を切らせる。
「はぁ...はぁ...。」と俺の息に呼応するように男は腰を振った。
男が腰を打ちつける音と一緒に自分から聞いたことのない声が漏れる。
「あっあっ!もっやめっ!!あっはぁっん!」
今目の前の、セックスという状況に自分が飲まれていくのを感じた。
ばちゅっばちゅっと自分の穴と男のモノが擦れる音が響く。
その間他の男たちは俺の小さな乳首に透明な液を垂らすと、摘んだり捏ねたりを繰り返していた。
そのうちぷっくりと小さく尖った乳首を男が吸い上げる。
「やだぁ...もうはなして...あぅっぅっ。」
涙でぐしゃぐしゃになりながら懇願する。体はビクビクと打ち付けられるたびに跳ねる。
僕のモノは今まで見たことな膨らみを見せていた。
「こいつ勃ってるぞ!はっはっは!!」腰を振っていた男は僕のモノを掴むと上下に動かす。
「っっあぁああああぁああ!!」
今まで触れられたことのない刺激に耐えきれず漏らしてしまった。
「お漏らししちゃったのちびすけ君。あと何回お漏らししたら射精できるようになるかねぇ?」
またも笑い声が部屋をこだまする。
体力が尽き果てて行こうとする中、男たちの蹂躙は止まなかった。
「っあ゛っ....っあ゛っ....。」
何時間経っただろうか。まともな声も出ず体も動かない中、最後の男は俺の中に生暖かい液をぶちまけると俺を地面に転がした。
「だいぶ楽しんだな...。」はぁはぁと息を切らしながら立ち上がると、脱ぎ捨てた服を纏う。
「シャワーして綺麗にして明日に備えろよ?また明日先生しにきてやっからよ。」
男の1人がそう吐き捨てると、「行こーぜ。」と他の男も部屋を出ていった。
ドアを閉めたあとガチャガチャと何やらカギのようなものをつけている音だけが部屋に響く。
しばらくして、震える足で、よろよろとシャワー室へ向かうと
鏡に自分の姿が映る。
喘ぎ、泣き叫び、懇願し、そしてどこか体は正直に感じてしまっていた自分の姿が。
「うっ...うっ...。」
小さな声で泣くとそのまましゃがみ込んだ。
股からはどろりと白濁の液と血が混ざり合ってぽたぽたと垂れ落ちてくる。
情けなさ羞恥と憎しみで胸が裂けそうになる。
やっと終わったと少しホッとする。
だが、この地獄は始まりでしかなく、俺はそれから5ヶ月後もっと恐ろしい目に遭う事をこの時の俺は知らなかった。
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