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第3話 悪夢の続き
首輪に手錠。
伸び切った髪。
初めて辱めを受けてから、5ヶ月も経った。
鉄格子のちっちゃい窓から、毎日数えた。
アンダーグラウンドの空には、大きな丸い光がある。
それが長い時間をかけて暗くなっていく。
そしてまた明るくなっていく。
もう100回以上、光は消えたりついたりを繰り返してる。
上の世界では“太陽”って言うらしい。
当時の俺は知らなかった。
多分地下で生まれて地下で育ったんだろう。
自分の記憶はこの夢からが始まりだ。
それより前のことは覚えていない。
トントンと階段を上がる音が聞こえる。
また男達が来た。
俺はもうこの生活に慣れていた。
黙って服を脱ぎ、自分でケツの穴を解すと、そそり立ったモノを出した男の前でせがむ。
「僕のここに入れてください。」
そうしてケツを差し出す。
あとはただ快楽に身を任せて、喘いで、涎垂らして、「もっとやって。」とせがむだけ
こうすると喜ぶ。痛いこともされない。
そう理解してからは自己防衛のために、“いい子”にしていた。
でもその日俺は、ミスを犯した。
「最後口で舐めとれよ?」
そう言って白濁液をまとったモノを俺に擦り付ける。
いつも通り、口を開けてモノを咥えるとき、歯が当たってしまったのだ。
「いってぇ!このガキ!!!」
バチンと破裂音が響く。
頬をぶたれ、指につけていた指輪のせいで俺の頬が一直線に切れた。
声をぐっと我慢する。喘ぎ声以外で声を上げると痛い目を見る。そう体が覚えてる。
ぽたぽたと血が滴る。
「や、ヤベェ...傷つけちまった...アニキになんて言われるか。」
男の顔が青ざめる。
ジンジンと痛む頬を手で押さえると痛みを我慢するために体を丸めた。
涙がじわりと溢れる。我慢だ。我慢だ。
いそいそと焦った男は服を着る。
「おい、傷見せてみろ。」
別の男が俺の顎を持つと上を向かせた。
するとギョッとした表情を浮かべる。
「傷が、、、消えかかってる。」
不思議と痛みがどんどん和らいでいく。
「マジだぜ、あんなにざっくり切れてたのによ...。」
服を着かけの男も俺の顔を覗き見る。
あんなに顔面蒼白だった男が、じっと見つめた後ニヤリとする。
するとゆっくりとポケットからナイフを取り出した。
「おい、ちょっと試してみようぜ。」
「抑えとけ。」という一言で男が羽交い締めにしてくる。
「傷が残ったら、アニキに...。」
もう1人眺めていた男がそう呟くと叩いた男が声を上げる。
「どーせさっきので傷一回つけちまったんだ、もう一回やって、治ったらおもしれぇだろ。俺はそっちに賭けるぜ。」
片腕を無理に出される。何をするのか容易に想像がついた。
「やめて!やだっ!!!!やめて!!!」
暴れるも、力虚しく腕に這ったナイフの刃はゆっくりと肌を滑り切り裂いていく。
「あ゛ぁああああっ!!!!いっ...いたい、いたい、いたいっ...。」
5cmほど切られると、後からどんどん血が溢れてくる。
「はぁ....はぁ....はぁっ....。」
恐怖で息が切れる。
だが、3分もすると血は止まり、10分で完全に傷が見えなくなった。
自分でも知らない異様な光景に目眩がする。
「こいつぁ。。いいもん見れたぜ。」
そこから俺は、オークションのその日まで主要な売主に貸し出され、何度も何度も犯された。
そして俺がいつも夢に見る男達が、最後の相手となる。
「ほら!!!もっと腰振れよ!!ガキ!!」
皮の一本鞭で背中を叩かれる。
「っあ゛がっ....!」
必死に腰を振る。
死にたくない。死にたくないと思いながら必死にセックスをした。
「哭け哭け!!ご主人様はお前の苦しそうな声が聞きてけんだよ!」
背中や尻目掛けてバチンバチンと音を鳴らし鞭が振われる。
見えない場所だけどわかる。
ぬるい液が尻をつたってぽたぽたと流れ落ちる。俺は今血塗れなんだ。
「怪我が治るとは、どんなに荒っぽくやっても元通りだもんなぁ!!いい道具じゃねぇか!」
「今までのガキ共は1週間と持たなかったからねぇ。この子は絶対に競り落としたいっ!!」
そういうと、ご主人様と呼ばれる男がまたケツを押し広げるようにモノをブッ刺してくる。
腹が苦しくて吐き気がする。
別の奴には子供では受け止めるの無理があるほどの太いモノで奥まで突かれる。
ばちゅっばちゅっばちゅっ生々しい音がテンポよく響く。
「お゛っ、ひぃっいや゛ああぁ、あっ、あ゛ぅっ。」
だらしなく声が漏れる。開いた口から涎が垂れる。
四つん這いの俺の腕がガタガタと震え、突かれる腰はビクビクと跳ね体全体が熱っていく。
ぽたぽたと自分のモノから汁が垂れ落ちる。
男がもう一度奥を強く突いた時、電気が走ったように脳をビリビリと麻痺させた刺激は俺の体を震わせた。
「ーーーっアァア゛ァ‼︎」
体がビクンと大きく跳ねる。
潮を吹き意識が飛びそうになる。
「おいおいこっちはまだだぞ!」
崩れ落ちる腰を持ち上げられると、ケツを何度も叩かれる。
ハッと意識を戻すと全身の痛みと熱が体を襲う。
だがそれ以上に止めてもらえない強いピストンでまた絶頂へと引き戻される。
「ヤダヤダ!!またイッ..!!またでちゃうッ!!ア゛っっ!アァ゛っーーーッ‼︎‼︎ッ‼︎」
無色の水だけが地面に溢れ出す。
頭が回らなくなり、息だけをする。
まだ入れられてるのだろうが全然わからない。
顔に何度もドロドロの液をかけられる。
何度も怒号と一緒に身体中を鞭打たれる。
痛みももうわからない。
ただ、その液を受け止めるように口をパクパクと開く。
そう教え込まれた体が自然と動く。
意識が遠のいていく。
意識が途切れる直前、虚な目の奥に血飛沫が一瞬映る。
神様、神様。助けて神様。
そう願ったところでいつも目が覚める。
バッと起き上がると手は震え、目からはじわりと涙が滲む。
息も荒く、心臓もバクバクしている。
真っ暗な中、また犯されるんじゃないか。
また叩かれるんじゃないか。
恐怖で息がどんどん上がる。
暗闇の中手探りで何かを探す。
ふと手に触れたのは人の温もりで、その温もりに飛びつくように抱きつくと背中越しに心臓の音が聞こえる。
トクン、トクン....。
レイだ、レイの背中...。また夢だ....夢だったんだ。
そう理解できるといつもホッとした。
あんな酷い夢で、惨めに勃った自分のものをレイにバレないように上下に扱く。
「....っぅ。。」
声を抑えて熱を吐き出すと、ティッシュで拭き上げた。虚しさだけが残る。
「はぁ〜....」と一息つくと、ベットの端で薬煙を一口吸うと、またベットに潜る。
煙を吸うと頭がふわふわして、なんとなく忘れられる気がした。
そのままレイの背中にピッタリくっつくとさっきの悪夢が忘れられるようにスッと眠りについた。
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