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玄関で顔射

「それにしても全裸で玄関に出たりして、俺じゃなかったら、どうするつもりだったんだ」 彼が呆れる。 「大丈夫」 こんな時間に来る人、あなたしかいないし。 「まったくエロいんだから」 そう言って、裸の肩を撫でられる。 クタクタになったスーツ。汗と土埃の匂い。仕事後、直行してくれたらしい。 「ごめんな、ずっと会えなくて」 彼が、わしわしと僕の黒髪をつかむ。 「捕まえて抱いて」と送ったのは水曜日。 長かった。 やっと捕まえてくれた。 「『ずっと』っていっても、たった一週間だけどね」 僕は余裕のフリして、やせ我慢で言う。 クスッと彼が笑う。 僕の、やせ我慢を見越したみたいに。 「一週間、ずっと俺に抱いてほしかったんだ?」 彼が僕の顔を覗きこむ。 「うん」 物欲しさが顔に出てしまっているのかも。 僕は、恥ずかしくて顔をうつむける。 毎日「抱いて」LINE送りつけてたら、そりゃあ飢えてるって思われるの、当然だよな。 こいつヤバい淫乱だなって、思われてるかも。 蔑まれてるかも。 だから、手っ取り早く、玄関で抱いて、即帰ろうみたいな扱い受けてるのかも。 「嘘ばっかり」 この期に及んで、なぜか彼に疑われる。 「ほんとだよ?」 僕は彼の顔を見上げる。 「もう、嘘でもいいや」 彼がそう言って僕の股に食らいつく。 「いっぱい出して」 彼が玄関にしゃがんでバキュームフェラをしだした。 彼の頬がへこんでいる。 すごい吸引力だ。 「ダメ。スーツ汚しちゃう」 ジュルジュルと卑猥な音をたてて先走りを吸う。 「大丈夫。もったいないから一滴もこぼさない」 仕事のできる倫理観ある男前が、スーツのまま玄関先でしゃがみこんで、若い男のちん◯をしゃぶってるとか! 「すごい美味しい」 美味しいとか言ってるし! 「あのさ。『デスク抱いて』って来た時、すごい興奮した」 彼が僕のを片手で持ちながら、僕の顔を見上げて打ち明ける。 「よっぽどデスクに行こうかなって思った。でも我慢した」 来てくれたらよかったのに! 「我慢しなくていいよ」 ずっと、したかったんだから。 「そうか? なら、今度、デスクでしようか?」 彼が僕の目を見つめながら、そう言ったとたん、僕のモノに精液がこみあげてきた。 さっきから我慢に我慢を重ねてたから、もう止められなかった。 「うっ」 暴発。 彼に顔射してしまった。 「あああ……」 罪悪感。 男前の顔に滴る白濁液。 でも、すんごい気持ちよかった。 ずっと我慢してたから。 職場の一週間の嫌なことが一瞬で吹き飛ぶくらい。 「やったな」 彼が白濁液の滴るドロドロの顔で僕に迫る。 「ごめんなさい。だってデスクでするの想像したら」 いつかしてみたいかも。禁断のオフィスプレイ。 「許さん。一週間溜めた濃い一番搾り楽しみにしてたのに。無駄にした。お仕置きとして舐めとってよ」 精液フェチの執念を燃やして彼が言う。 「えぇぇ」 「ほら」 顔を差し出される。僕は仕方なく、ぺろぺろ舐める。 「苦っ」 僕は、顔をしかめる。 「フフッ」 彼が僕の顔を見て嬉しそうに含み笑いする。 「うぅぅ」 自分の出した体液を舐めとらされてる。それを彼に見られてる。 あぁぁ。なんか再びきざしてきちゃう。 嫌々舐めた自分の白濁液。 積極的に舐め始める。 「ん、あ……気持ちいい」 彼が僕に舐められて感じているような声を出す。エロい。 若い男に顔射された顔を舐められて感じてるの、やらしい。

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