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堕ちる
「…こんなんいつまで続ける気ィなんや伍代…」
「いつまでやろなぁ?…さ、篠崎さん。払うモン払ったけぇ始めようや」
「…分かった」
覚悟を決めて頷いた篠崎の周りを男たちが取り囲んだ。
「何でも屋さんも大変やねぇ?払うだけ払ったら身体も売ってくれるんやから」
「…う、るさ、い…っ♡あ、ああっ♡や、あっ♡」
「喘いじゃってまあ可愛いこと」
「身体ビクつかせてら。気持ちええかね?」
「き、もちよくなんか…な…っ♡」
「これでも?」
ごり、と内壁を擦り上げられた。
「ひぁああっ!♡」
がくがく、と脚が震える。は、はっと呼吸を整えて眉根を寄せて睨む。
「そんな顔したらあきませんよ」
頬をするっと撫でられた。
ごつごつごつっと前立腺を殴られる。
「あ、あ♡ぁあッ♡や、だ、やだッ……あぁあっ!♡」
ガチガチに勃った先端からどぷ、と白濁が溢れる。
「ははっイッてまったなあ?篠崎さん、可愛いねえ」
「ほんに身体は正直やなあ。なあ篠崎さん?」
「…あ、ぅ…♡か、かんぞぉ…」
体をぶるりと震わせ、その場にいない男の名前を呼んで篠崎は意識を手放した。
「ほなまた頼むで。篠崎さん」
「もぉこんでええ…」
ふらふらと立ち上がった篠崎にばたんと扉を閉められた。
すっきりとした顔で6人の男たちが固まって歩く。
「なァ伍代よ。今日篠崎さんが呼んでた奴、気にならねェか」
そう声をかけたのは伍代の一番の悪友である嘉六。
「ああ。『かんぞう』…だったか?誰なんだろうな」
「俺は篠崎さんの恋人とみたね!あの状況で呼ぶってことは絶対そうやろ!」
二人より背の低い童顔の数一が得意げににやりと言った。
「はあ?篠崎さんに恋人だあ?許さんどこのどいつだ締め殺してやる」
「おお、おっかねえ。三雄の奴篠崎さんの事好きすぎるだろ。気持ち悪」
「ンだと仁吉、やンのかコラ」
「おお怖や怖や。そこ歩いてるのが『かんぞう』とやらかも知れませんよ、三雄?」
「三雄、仁吉、四津。そのへんにしとけ」
「はいよ」
諫めた伍代に軽い返事を返して仁吉が聞く。
「な、伍代さん。『かんぞう』とやらのこと調べてみんか?」
「おー!面白そうやん?聞き込みならこの数一に任してよ!」
「俺も知りたい」
「三雄は『かんぞう』を見つけたらぶっ殺しそうだなあ」
ははは、と笑った一同は街の人混みに消えた。
「漢三〜!羊羹買えた!」
にこにこっと満面の笑みで遠くから手を振る篠崎に近づきながら軽く手を振り微笑む。…と、篠崎に誰かが声をかけた。知り合いか?邪魔をしてはいけないな、と思い足を止めると、目の前に3人の男がスッと立った。
「アンタ、『朝食漢三』さん?」
「…なんだお前ら」
知らない男に名前を呼ばれあからさまに警戒する。
「まあまあそう構えんでくださいな。ちぃと二、三聞きたいことがありまして」
「そうそう、聞きたいことがあんのよ」
「俺には答える義理がない。じゃあな」
男たちから目線を外し篠崎の方を見ると、篠崎の持っていた菓子の包みがごとりと落ちているだけだった。
「篠崎!?」
ダッと走り出そうとした漢三に三人が立ちはだかる。
「チッ!テメェらなんのつもりだ!」
「そう声を荒げるな。俺たちと話してくれる気になったかい?」
「もちろん来てくれるやんなあ?」
「来てくださらなかったら彼はどうなるんでしょうねえ、『朝食漢三』さん」
真っ白な壁に黒の屋根、広い屋敷の裏口からすぐの場所にその蔵はあった。
「さ、どうぞ」
「オイ、篠崎は?アイツに何もしてねぇだろうな」
「それはアンタ次第だよ」
「…チッ」
扉をくぐると、奥に暗い中でもぞりと動く影があった。
「ん、んん…」
「篠崎!」
声を聞いて駆け出す。踏み出したところに足を出されて引っ掛け、どたりと転んだ。
「篠崎、篠崎!無事か!?」
「ん!んんんー!んん!」
起き上がろうと床に手をつくと、後ろから背中にのしっと乗られてうつ伏せで突っ伏す事になった。
「…ぐ…っ」
「オラ。脚は畳んで太腿で縛れよ。手は腕まで縛ってやれ。逃げられたらかなわん」
「あいよ」「任しといてください」
「テ、メェ、ら…ッなにしやが…ッ!ヴッ…!」
「喋ってると舌噛むぜ?」
上に座った伍代が漢三の頭を肘置きにしてグリグリと押しつぶす。
「ほらよ、出来たぜ伍代」
仁吉が縛り上げた漢三の尻をペシンと叩いた。
「く…っそ…!」
なんとか解こうと試行錯誤する漢三だったが縄はギチギチとしなるばかりで一向に緩んではくれなかった。
「よし、いいぞ」
立ち上がった伍代の声を合図に蔵の小さな窓が開けられる。少しばかりの光が差し込み、蔵の中がうっすらと明るくなった。
トントン、と降りてくる音がして漢三の上から声が降る。
「三人ともお疲れ様!篠崎さんもちゃんと連れてきてあるよ」
「伍代、コイツが『朝食漢三』か?」
「ああ、そうだとよ」
「ほう…」
しゃがみこんだ三雄が漢三の髪を鷲掴んで持ち上げる。
「おうおう、篠崎さんの恋人っちゅうのはおどれのことかいな」
「あァ?…違ぇよ」
「あ?…伍代ィ…人違いじゃねェのか?」
「合ってるよ。赤毛に緑目。こんな奴他に居ねェだろ。なぁ嘉六?」
「おうよ。なんなら篠崎さんに聞いてみるか?」
そう言って嘉六は蔵の一番奥に横たわる篠崎の猿轡を外した。
「っかんぞ、かんぞお!なんで来たん!なっんぶ」
再度猿轡をつけて嘉六はニコっと笑った。
「ほらな?」
三雄はそれを聞いて弾んだ声で漢三に問う。
「足と手どっちがいい?」
「…は?」
「答えるのが遅ぇよッ」
ガツン、と拳が漢三のこめかみに入った。
「がッ…!」
どちゃ、と顔面を床にぶつけた漢三の肩を足で転がして仰向けにさせる。鳩尾に片足を乗せ、ぐっと体重をかけた。
「ぐ、ヴッ…!」
げほっと漢三が咳き込んだのを見て三雄が足を離す。
「もォこの際恋人であろうとなかろうとどうでもええわ。朝食漢三、お前篠崎さんと一度でも同衾したか?」
「…したと言ったら?」
ぺっと唾を吐き漢三が睨みあげる。
「許さん」
思い切り脇腹を蹴り上げられた。
「ぐッ!」
「ん゛ー!!!」
篠崎が目を見開いて叫び声を上げる。
床に頬を擦り付けて猿轡を外した。
「ん、んー!…ぷは…ッ、伍代!伍代!!おまんなにしてくれてん!なんで漢三がこんなことされなあかんのや!三雄もやめてや!」
「ゔ…ッ…し、しのざき…知り合いなのか…?」
痛みに顔をしかめる漢三の問いには数一が答えた。
「篠崎さんには依頼でお世話になっててね〜?ま、簡単に言やあ売春ってやつよ」
「し、のざき…?」
「…断れんかってん」
「いつも気持ちよさそーに鳴いてたもんなあ?そりゃ断れねえわ」
「ちが…!」
「違わねェだろ。ド淫乱」
「…ッ」
かあ、と顔を真っ赤にして篠崎は黙ってしまった。
「で、だ。春買ってる間にコイツは篠崎さんの事好きになっちまったみてえでよ」
仁吉が三雄を指差し笑う。
「アンタが篠崎さんとヤッてるって知って仕置きをしたいんだってさ!」
数一がしゃがみ込んでデコピンした。
「俺たちはアンタを一発ヤれればそれでいいんだけどよ。三雄はそうじゃねえらしいわ。な?伍代」
嘉六が伍代に話題を振る。
「俺はただ竿役が堕ちるところを見てえってだけだからよ。まあ、そろそろ他に乗り換えようかと思ってたとこだし大人しくヤられてくれるなら俺はもう篠崎さんからは手を引くぜ」
「私もそうやねえ。調べてくうちに分かったけどアンタ私の好みやから可愛がってあげてもええですよ」
口元に手を当ててふふ、と笑う四津。黙っていた漢三が口を開く。
「俺がヤられれば手を引くんだな?いい。俺の身体で篠崎が助かるなら好きに使えよ。」
「漢三…!あかん!」
「うるせぇ篠崎は黙ってろ!!!」
「話が早くて助かりますわぁ。やっぱり良い男ですね」
四津がしゃがみこんで漢三の頬をするりと撫でた。ぞわぞわ、と悪寒が背を走って顔を避ける。
「チッ気持ち悪りぃな」
「おい四津、どけ。俺はコイツをぶちのめさんと気が済まん」
「はいはい。気絶せん程度にしといてくださいね」
四津は離れて伍代達が座っている隣に腰掛けた。
「努力はするよ」
そう言って三雄は漢三の前にしゃがみ込んだ。
「おう漢三。俺はお前が気に食わねえ。篠崎さんに近いのが気に食わねえし、俺と名前が似てんのも気に食わねえ。泣いて詫びれば何もせずに逃してやるが、どうだ」
「ハッ。まっぴらごめんだね」
「そうかい。残念だ、よッ」
「…ぐッ」
漢三の頬に三雄の拳が上からゴツッと降ってきた。三雄が立ち上がり漢三を足蹴にする。
「謝るまで許さんぞッ俺はッ!」
「ぐ、ゔ…ッ!」
ド、と腹に踵を落とし込む。
「おう漢三聞けやッ俺の方が篠崎さんを好きなんだよッお前は恋人でもなんでもねぇんだろう!?金も払わず篠崎さんと!ヤッてんじゃ!ねえやッ!」
がつ、ゴッと漢三の腹に蹴りが入る。漢三は鈍い声を上げて顔を歪めた。
「かは…ッ」
「ッ漢三…!もうやめろ三雄!!」
「うるさいなあ。篠崎さんちぃと黙っといてや」
嘉六がまた篠崎に猿轡を戻す。
「んん!んー!!」
嘉六はバタバタと暴れる篠崎に跨り背中に座って動きを封じた。
その様子を見た三雄が篠崎に問う。
「…なあ篠崎さんよ。アンタこいつの事…好きなのか?」
思わず漢三も篠崎の方を見た。
篠崎はピタリと動きを止めて黙りこくる。床に頬をつけたまま何も反応を示さなくなった。
「…は…そうかい…そうかいそうかい…」
ははは、と乾いた笑いが出る。
「じゃあ尚更痛めつけねェと気が済まねえなぁ!」
漢三の頭を足の先で掬い上げるように蹴飛ばした。
「がッ!」
蹴られた勢いで積んであった荷物にぶち当たった。がらがらと積荷が崩れて漢三を埋める。
「チッ邪魔くせぇ!オイ出てこいよ!まだ俺の気は済んでねえぞ!」
ガッ!ドサッと足で物を蹴散らして漢三を探す。
「ゔ…」
漢三が体を動かすと上に乗った箱がガタガタと音を立てて落ちた。
「そこか」
漢三を探し当て、胸ぐらを掴んで持ち上げる。口の中を切ったのかどぷりと血が溢れたが、漢三は構わず口を開いた。
「…は…男の嫉妬は醜いぜ…?」
ぷっと血混じりの唾を三雄の顔に吐きかける。びちゃ、と頬について三雄は激怒した。
「クソッッタレ!!!ブッ殺してやる!」
怒号と共に拳が漢三の腹を抉る。
「ぐッゔ…!」
ドッ、ゴッと何度も思い切りブチ込まれて漢三は耐えきれなかった。
「…は、ァぐ…ぉ、えっ……っぐ、う、ゔ…げぇ…ッ」
びしゃびしゃ、と吐瀉物が飛び散り床を汚す。血液と混ざって赤みがかっている。
「汚ね」
三雄がパッと手を離すと漢三は重力に従いドサッと崩れ落ちた。
ひゅ、ひゅ、と狭くなった気管で息を継ぎ睨みあげる。
「ンだよその目はよォ…」
もう一度蹴り上げようとした瞬間、伍代から声がかかった。
「おう三雄、その辺にしとき。失神されたら楽しくねえや」
「…チッ…しゃーねーな」
「ああおいたわしや漢三さん、すぐ良くしてあげますからね」
四津が駆け寄り漢三についた血や吐瀉物を拭いてやる。
「やめろ…世話を焼くんじゃねえ気持ち悪りぃ」
「ふふ、じゃあ気持ちいい事してあげましょうね」
にこりと微笑んだ四津は漢三を座らせ、抱き寄せて背中をぽんぽんと優しく叩いた。そのまま抱き上げて蔵の中心へと下ろす。
「さ、お楽しみを始めましょうか」
「ああ…いいですねぇ…」
漢三の帯をほどき着物をはだけさせた四津が感嘆のため息をこぼした。
「筋肉質な身体…この陰毛…想像してた通りです…♡」
さわ…と四津が漢三の股間に指を這わせた。
「…くそ…」
びきびき、と音がしそうなくらい額に青筋を立てる。しかし篠崎を人質にとられてしまっては激しく抵抗することもできずただただジッと無心を心がけた。
するり、萎えているそれを指でくすぐられ、首筋にはキスを落とされた。
(オエ…)
胸糞の悪さに吐き気がする。四津はそんなこと構わず漢三の鎖骨や胸にキスを落とし、上に戻ってきて顎を固定して唇を合わせた。
「ん゛」
頑なに口を開けようとしない漢三に、四津は一度口を離して囁く。
「篠崎さんがどうなってもいいんです?」
「…チッ」
「ふふ、いい子ですね」
ちゅぷ、くちゅ…と舌を勝手に絡められて吸われる。軽く食まれたり口蓋をなぞられて思い切り顔をしかめた。
「ふ、はあ…♡ああ、良い。一度あなたに犯されたいですねえ」
「死んでも御免だよ」
「篠崎さんは?」
「…くそ」
「まあ残念ながら今日はナシです。私があなたを犯すので」
そう言って四津は漢三の身体に舌を這わせた。
「ねー、四津と三雄ばっか楽しんでない?俺もヤりてえよ」
「順番でやりゃいいだろ。待ってろ数一。四津は邪魔するとうるせぇ」
「三雄は満足したか?」
「正直足りんがあいつに中出ししてやれたら満足するぜ」
「はは。死ぬほど喘がせてやれよ?」
「当たり前だ」
「そういえば数一、アレ持ってきてるのか?」
「勿論!これを使えばどんな男もトロトロよ。おーい四津ー」
「ねェ篠崎さん、本当にアイツのこと好きなんか?」
嘉六が尻の下の篠崎に聞く。
「…」
篠崎はだんまりを決め込んだままである。
「…あんま黙ってるとここで抱くぜ?」
ぴく、と篠崎が反応を示した。
「ま、俺が抱きたいだけなんだけどさ」
篠崎の上からどいて顎を掴み、クイとこちらに向ける。泣きそうな顔をした篠崎が嘉六を睨んでいた。
「あは…その顔いいねェ。たまんねぇわ」
サラ…と長髪を撫で、その髪にキスをする。篠崎の肩を掴み、仰向けに転がして馬乗りになった。いつもするように耳から首筋に指を添わせる。
「…っ」
びく、と篠崎が身体を震わせた。
「なに、この合図身体に染み込んでんの?」
ギロ、と睨む篠崎の髪を退けてやり耳に口を近づける。
ふっと息を吹きかけると篠崎は「ん」とこぼして身体を丸めた。
「はは、本当に淫乱だなあ篠崎さんは」
ぷち、ぷち、と勿体ぶって一つずつシャツのボタンを外していく。
「ん!んー!」
もぞもぞと逃げようとする篠崎に嘉六は思いついたように言った。
「あ、そうだ。篠崎さんがここで20回イッてくれたらその時点で朝食漢三から手を引くわ」
「ん!?」
「どう?良い取引だと思うんやけど」
「…ん」
こく、と篠崎は頷いて抵抗をやめた。
「交渉成立だな」
嘉六はかぷ、と篠崎の首筋に噛み付いた。
「ん♡ん…♡」
篠崎の甘い声が聞こえてきてそちらを見る。
嘉六が篠崎に口淫していて篠崎はびくびくと脚を震わせていた。
「ッ篠崎!」
思わず起き上がろうと上半身を起こすと四津が「まあまあ」と漢三を寝かせた。
「テメェら…!篠崎には手ェ出さねえっつっただろうが…!」
「次からは、ね?今日はまだ入ってないですよ」
「屁理屈を…!」
「ほらほら、お詫びと言ってはなんですが。これでも飲んでくださいよ」
グイ、と口に瓶を突っ込まれ、とぽぽ、と液体が入ってくる。突然すぎて思わず飲んでしまった。
「ん゛ッげほッ!」
四津が半分程の液を残して漢三の口から瓶を離す。
「な、ンだこれ…ッ…酒…?」
「ええ。お酒ですよ」
そう言って四津はほぐし終わった漢三の窄まりに瓶の口を突っ込んだ。
「ちょ、テメェどこ入れてんだ!!」
「下の口からも飲ませた方が効きが早いので♡」
とぷ、とぷ、と瓶の中身を全て体内に注ぎ込み、四津は瓶を放ると液が漏れないように漢三の脚を持ち上げてやる。
「おいテメェ、離せ、離せっ!」
じたばたと暴れる漢三だったが、腸からダイレクトに酒に混じった薬を摂取してだんだん力が弱まってきた。
「くそ、くそ…!はなせ、よ…!」
ぽんぽん、と四津が漢三の腹を優しく叩く。
「ほうらよしよし、回って来ましたね」
「は、なせ…くそ…」
ふにゃ、と力の抜けた漢三に四津が覆いかぶさる。
「いつまで強気を保っていられますかね…♡」
「あ、あ♡や♡あぁッ♡」
「気持ち良さそうだな、篠崎さんよ」
猿轡を外された篠崎は嘉六に挿れられて喘いでいた。
「ふぁ♡あっ、あ♡よくない…っ♡」
「は、鏡で自分の顔見てみなよ、気持ちいいって書いてあるぜ」
ぐりぐり、と前立腺を抉られて声にならない声が出る。
「〜〜〜〜〜ッッッ♡♡」
がく、と身体が波打ってどぷっと白濁が漏れた。
「はい3回目。いいねえこの調子ならすぐにでも漢三を助けられそうだなァ?」
「ぁ、あ…♡漢三、漢三…」
涙を零しながら篠崎は漢三の方を見る。漢三は四津に唇を奪われてぐちゅぐちゅとキスをしていた。
「ん……ぁ…っ」
四津の唇が離れて銀の糸を紡ぐ。
「漢三さん、声出て来ましたねえ…♡」
「…るせぇ…」
はあ、はぁと息を整える。
「もう一回指挿れますよ」
つぷ、と肉を割り開いて四津の中指が挿入ってくる。
「ぅ、あ、あ…」
気持ち悪い、最悪だ。そう思っていた矢先、四津が中で指を曲げた。
「あ!?」
「ふは、びっくりしました?でも気持ちいいでしょう?やはりこの薬はよく効きますね」
こり、こりっとしこりを撫でられる。
「う、ぅ…!」
びく、びくっと身体を丸めて呻く。
「ほらほら、勃ってきてますよ」
四津が片手で漢三の竿を扱く。前立腺を刺激されたからか先走りがどぷどぷと溢れて止まらなかった。
「あ、ぅ…!」
「ほら、どんどん出てくる。さぞ気持ちいいんでしょうね?」
「ふ、ぐ…ぅう…」
ギリ、と歯を食いしばり漢三は耐える。
「我慢しないで?ほら」
ぐちゅぐちゅッと竿も中も同時に一際強く触られて達してしまった。
「ああぁッ!」
ビュルッと精液が飛ぶ。は、はぁ、と息を吐いて四津を睨んだ。
「あぁ、その目…たまんないですね」
四津が穴から指を抜く。ぬぽんっと抜ける際に気持ちよくて思わず声が出た。
「んぁ…!」
「ふふ…もっと気持ちよくさせてあげますからね」
そう言って四津は自分のモノをさらけ出して見せつける。
「ほら…挿れますよ」
「ま…まてまて!で、でかすぎるだろ…!」
「ふふ、よく言われます」
「…はいらねぇよそんなもん…!」
「入るか入らないかじゃないんですよ」
ぷちゅ、と先端を穴に押しつけて四津は言う。
「挿れるんです」
ぐ、と力を込めて押し込む。
「ぅ、ぐ、ううう…!」
「力抜いてください、苦しいでしょう?」
「う、はぁ、はっ…は、ぁ…!」
「良い子ですね…ああ…きつい…!」
「は、はっ、はあ、あ、うぅ…!」
くるしい、くるしい。圧迫感でどうにかなりそうだ。それしか考えられなくてただひたすらに息を吐いて力を抜いた。
「よしよし…良い子ですね」
さら、と四津が漢三の頭を撫でた。
「ぁ…!」
びく、と身体が反応して中がキュンと締まる。
「…?」
もう一度四津が漢三の頭を優しく撫でた。
「ぅ…!」
びくりと漢三の身体が震える。中が締まって四津の竿をきゅうきゅうと握った。
「あら、あらあらあら♡」
さらさら、するする…と優しく耳の裏や頭皮を撫でられて漢三はびくびくと反応しながら我慢できない声を上げた。
「あ、ぁ…ぅ、うぁ…!」
「漢三さん…頭皮弱いんですね…?」
うっとりとした四津が身体を寄せる。ずちゅ、と奥に棒が当たってまた声が出た。
「あぁ…ッ」
「キュンキュン締めつけてくる…気持ちいいですよ♡」
「そ、うかい…ッ」
はあ、と大きく息をして出来る限り何も考えないようにした。
「動いてもいいですか?」
「…す、すきに、しろ…っ」
「はい♡」
ゆっくりと引いてゆっくりと突く。ずろぉ、ずろぉ、と内壁を太い肉棒でごりごりされて漢三の視界はぱちぱちと弾けた。
「あ゛…ぁ…ッ」
「あー…気持ちいい、気持ちいいですよ♡」
「ゔ、うう…ッ、ふ、はぁ…ッ」
顔を背けた漢三の額から汗が散る。首筋を汗が流れて四津がそれを舐めた。
「漢三さん…♡」
だんだん強く速く突く。ごちゅっごちゅ、と奥を穿つと漢三は大きな声で喘いだ。
「あ゛ぁ゛ッ!!」
「締めつけすっご…♡最高ですよ漢三さん…」
ばちゅばちゅっと突き上げて四津は声を上げた。
「う、イきそうです…っ漢三さん、漢三さん…ッ」
「あぐ、ぁ゛…ッ…あ゛、ゔッ!」
「あ、あッイ、イきますよ、でるでる、でる…ッ」
ガツガツガツッと突かれた。
「ゔあ゛あ゛あ゛ッッッ!!」
ビュルルッと漢三の中に熱い精が放たれる。
熱さと射精の勢いに、反射的に身体が反った。
「ひあぁああッッ!!♡♡♡」
「く、ぅ…ッ」
四津がイった後、篠崎と嘉六も達した。
「は…ッ7回目…ッイくの早すぎだろ…ッ」
ゴツゴツと突き上げた嘉六は肉棒を抜いて篠崎の額に自分の額をくっつける。
「篠崎さん、回数増やすぜ。これじゃ早すぎる」
「や、だ、嫌だ!始めに20回って言ったのはおまんやろ嘉六…!」
「はッどうせ縄解かなきゃなんも出来ねえくせに言うねえ」
「クソッこんな縄…!」
ギリ、と牙を見せつけて変化を解こうとした瞬間、漢三の声が聞こえた。
「うあぁッ♡…しのざきぃ…ッ♡」
ハッとして漢三の方を見る。
「み、るな…ッ…あ、ぁ♡あぐ、う♡」
仁吉が背面座位で漢三を犯していた。
「は、気持ちいいかよ漢三さんよぉ」
ぱん、ぱんっと打ち付けつつ仁吉が篠崎の方を見てニヤリと笑った。
「お?篠崎さん見てるやんけ」
「あぅ、あっ♡…し、しのざき…ッみる、な…ッ♡、ふぁあ♡」
「あ…あ…漢三…」
さっと青い顔をした篠崎に数一が声をかける。
「あーあ、漢三さん堕ちちゃったみたいだねぇ」
「漢三…漢三…や、やだ、やだ…」
ぼろぼろ、と泣き出した篠崎を嘉六が撫でてやる。
「ほら、早く終わらせたいならあと23回イきな」
「嘉六なにそれ」
「決めた回数篠崎さんがイったら漢三を離してやるって言ったんだよ」
「…増えてるやんか…」
ぐす、と鼻をすすり篠崎が言う。
「増やすって言っただろ」
「そんなん話が違う!」
「俺が増やすと言ったら増えるんだよ」
「嘉六は意地悪やなぁ。な、嘉六。俺にもヤらせろよ」
「いいぜ」
「本当に、今度こそ本当にあと23回なんやな?誓うか?」
「あーいいぜ、23な23」
「テキトー言いやがって…!」
篠崎がギリ、と牙を剥く。
「まあまあ篠崎さん、少なくとも俺は23回で誓うぜ」
「数一…信じていいんやな…?」
「おうよ、俺は嘘はつかねえ主義だよ?」
「…さっさと終わらしてくれや」
「はいよ」
「ゔあぁッ♡は、あ♡あ゛♡ああぁッ♡♡」
びくびくっと身体を震わせて漢三が声を上げる。
「おら、イけよッ」
ぐりぐりぐりっと一点をゴリ押しされてバチバチッと視界で星がはじけた。
「ひぁああッ!!♡♡ぁ、あ゛♡♡♡」
だくだくと汗が流れていく。股間も誰のか分からない白濁とカウパーでぐちゃぐちゃになっている。
「あ、あ♡♡し、しのざき、しのざき…」
「まだ言うかよコイツ」
びくびくと痙攣する漢三を三雄がまた穿つ。
「は、あああ♡♡、し、のざき…っ♡」
「んああッ♡♡ぁう、ひゃぁああッ♡」
「27…ッ…イきすぎだろコイツ…!」
「あ♡あ♡かんぞ、かんぞぉ…♡♡♡」
涙と鼻水と汗でぐしゃぐしゃの篠崎が漢三を見やる。漢三は三雄に喘がされて達していた。
「ゔあぁあッ♡♡♡」
がく、と身体を反って快楽を逃す。
「逃げてんじゃねェぞッ!」
三雄が腰を掴んで思い切り打ち付ける。
「あ゛ッ♡♡ぁああッ♡♡♡」
しのざき、しのざき、と脳内で名前を連呼する。これで篠崎から手を引くなら安いな、と微かな思考の端で思った。
「や、あ♡あ♡あぅあああッ♡♡♡♡♡」
「30…ッ!はあ、篠崎さんやっぱアンタ最高だよ…ッ」
「ご、ごだい…♡も、これれ、かんぞ…はなして…くれゆ…?」
「ああ…三雄が満足してればな」
「みつお…」
とろ、とした目で漢三と三雄を見つめる。
「おら、イくぞ、ちゃんと吸いついとけよ!中に出すぞ!」
ばちゅばちゅばちゅっ
「あ゛♡あぁあ♡♡あ゛ーーーッッ♡♡♡」
びゅるるるっと中で熱が弾けた。
「う…っふぅ……」
「ふぁ…っ」
ずるっと抜かれて漢三の口から声が出る。ナカイキも経験した漢三は抜かれた後もびくびくと身体を震わせた。
「三雄、満足したか?」
「…あー…伍代か…今話しかけないでくれ」
「イッて怠くなるのは分かるが話ぐらいしろや」
嘉六が言うと三雄は面倒くさそうに答えた。
「はあ…満足だよ」
「だってさ!篠崎さん、よかったね」
「私はまだ少し物足りないのですが…」
「俺が抱いてやるからそれでいいだろ」
「仁吉さんは嫌です。」
「なんでだよ!」
「…さて。三雄も満足したらしいしここいらで手を引くかね」
「私は漢三さんとまたやりたいですねえ」
「それはお前の好きにしな」
「篠崎さん」
「…ん…」
「楽しかったぜ。今までありがとな」
「…そうかい」
「篠崎さんの縄だけ解いといてやれ」
「はーい」
「蔵の鍵は開けとくから好きに出てってくれや。ちなみにここは俺たちの家じゃねえからこの家の奴らになんか言っても意味ねえからな」
「クソ野郎…」
ぼそりと篠崎が溢した。
「…なんか言ったかい?」
「…いいや」
「ほら、解いたよ。俺らの後追ってきたらまた漢三さんもろとも世話になるからよろしくね?」
にこっと数一が笑って篠崎の頭を撫でた。
「それじゃ。」
そう言い残して伍代達は蔵から去って行った。
「かんぞぉ…かんぞ、起きとるか…?」
動く気力も無くて篠崎は漢三に声だけをかける。
「う……」
呻いた漢三が篠崎の方を見る。縄を解かれた篠崎を見て「よかった…」と微笑んだ。
「馬鹿…自分の心配をせぇよ…」
ほっと胸を撫で下ろした篠崎は這って漢三の側まで向かう。縄を解こうと正座すると、漢三が頭を膝に乗せてきた。
「篠崎…」
「なに?」
「…怖かった…」
ぼろ、と泣き出した漢三に篠崎は謝る事しかできなかった。
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