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第28話

食事も終わり、僕はいつものようにエプロンを付け、後片付け。 皿洗いをしていると、 「僕も手伝おうか?」 気がつけば沢村さんが傍らに立っていた。 「大丈夫です。いつもの事ですから。コーヒー、お代わり煎れましょうか?」 「いや、いいよ、ありがとう、西垣くん」 ふわり、優しい笑顔に釣られ、僕も微笑んだ。 「ところで圭介くんは?」 「ああ、なんだか、風呂に入るとか言ってたけど」 お風呂...? 僕は皿洗いしながら、宙を仰いだ。 先生も、風呂にする、と食後、リビングを離れたような気が...。 まさか、2人でお風呂...? 僕は思わず、ソファに座り、雑誌を捲りながら寛ぐ沢村さんを見た。 沢村さんは穏やかな笑顔を浮かべている。 皿を洗い終え、僕はタオルで手を拭くと、ソファの前のテーブルにある、沢村さんの、無くなっているコーヒーカップを手に取った。 「飲み物がないと退屈でしょう?お代わり、すぐに煎れますね」 「ありがとう、相変わらず、気が利くね、それに」 僕はなんだろう、と空っぽになっているマグカップを手に、沢村さんを見下ろし、言葉を待った。 「まるで、新婚のカップルみたいだ」 さり気ない沢村さんのセリフに、僕はボンッと顔から火を吹きかけた。 「もしあるならだけど。コーヒーよりビールがいいかな」 「あ、あります」 「西垣くんも一緒にどう?」 断る術はない。 圭介を追い出す為に、沢村さんを誘惑し、圭介を嫉妬させて、圭介を沢村さんの元に帰す... 先生の計画はこれでいいんだったかな...。

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