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第33話
朝食を食べたら、皿洗い、そうだ、と味噌汁で汚れた沢村さんのスーツをクリーニングに出しに行かないと。
ついでに夕飯の買い物もしてこよう。
「祐希、何処に出かけるんだ?」
「あ、クリーニングとスーパーに」
「だったら、車、出すよ。祐希、車、無かっただろう?」
ダイニングに座っていた沢村さんがすっくと立ち上がった。
「あ、祐希さん、俺の下着や日用品もお願いしていいですか?」
圭介、すっかり、ここに居座る気じゃないか。
「...わかった」
「行こう、祐希」
「デッサン始めようか、圭介」
「はい!」
「...大丈夫?祐希」
車の中で運転席の沢村さんに尋ねられた。
クリーニングは出した。夕方、取りに来なければいけない。
「多分、染みは落ちると思います」
「そうじゃなくって。なんだか、先生?と雰囲気が悪いから」
「ああ...」
「圭介のせい?」
「...もう、僕は必要ないのかもしれません。デッサンだって、圭介がいるし...」
僕は俯きがちに小さく言った。
「だったら」
僕は沢村さんの横顔を見つめた。
意を決したかのような、沢村さんの真剣な瞳。
「だったら、一緒に住まないか...?祐希がいいなら」
僕は面食らってしまった。
「で、でも、僕...仕事もあるし...」
「圭介がいるから、祐希はもう必要ないんだろう?」
言葉にされると胸が軋む感じがした。
「...少し考えさせてください」
そうして、沢村さんは僕の行き付けのスーパーに車を走らせた。
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