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prologue †…dream(2)
そして目の前に現れたのは、漆黒色をした、大人ほどもある大きな身体をした狼だ。
宝を射貫くその瞳はブルームーンのように青い。
驚くほどその瞳は澄んでいて、見ていると吸い込まれそうだ。
宝は抵抗するのも忘れ、見惚 れる。
しかし、それもほんの束の間に過ぎない。狼は口の両端にある鋭い犬歯を剥き出しにして呻っている。
どう見ても今のこれは友好的ではない。
狼は宝を食料とでも思っているのだろう。
前足が捕らえた獲物を逃がさない。宝を押さえつける前足のその爪が両肩に食い込み、宝が着ている真っ白なシャツが赤く染まっていく……。
このまま、自分は狼に殺されてしまうのか。
ブルームーンの瞳が、恐怖に戦慄 く宝を写し出す。
そして狼は大口を開け、勢いよく宝の喉元に噛みついた。
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