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たとえ嫌われていたとしても……。(4)

 もちろん、丞は宝と同性だ。  宝は今まで、自分にそういう感情があることを知らなかった。  子供の頃から好奇心が旺盛で、機械をたくさんいじっていた。だから思春期を過ぎても恋愛にはまるで興味がなく、機械が恋人のようなものだった。  けれども宝の性格は穏やかで、だから友人は他の人よりも多い方だ。  パソコンをよく触るおかげで海外にだってチャット友達がいる。けれども誰かに恋をするという経験はなく、丞と出会うまではそういう感情自体、自分にはないと思っていた。  けれども自分は他人に恋愛感情を抱かないだけで、同性愛者ではない筈だ。それなのに、宝は丞に恋心を抱いている。  それは生まれて初めての体験だった。彼の姿をひと目見たその時、背筋がぞくぞくして、胸が大きく高鳴り、身体が熱くなったのを今でも覚えている。  丞に恋をしたきっかけは入社式。歓迎の挨拶の時だ。

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