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たとえ嫌われていたとしても……。(5)
襟足よりも短い黒髪に長い足。広い肩幅。それでいて筋肉質ではなく、だからといって宝ほど細身でもない。健康的で凛々しい彼はスーツ姿がとてもよく似合う。高い鼻梁に男らしい薄い唇。涼しげな眼目元をした綺麗な丞に一目惚れをした。
その彼と同じチームになれて嬉しくて、その日は眠れなかったのを今でも覚えている。
だが、この恋は当然、丞に打ち明けることができず、宝は二年間、この想いを秘めて過ごしている。そんな中、会社から言い渡された突然の出張。
丞が親会社から離れてしまうことを知った宝は慌てて立候補をしたというわけだ。
けれども宝は丞によく思われていない。それというのも、宝が話しかけた時は、必ずと言っていいほど仏頂面で不機嫌だからだ。
それに、自慢ではないが宝の腕はそこいらの新人よりもずっと上だ。下手をすれば、中堅くらいまで匹敵する技能を持っている。それなのに、丞は宝をプロジェクトチームに指名しなかった。
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