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椎名さんが心配です。(3)
どうやら田牧や斎も丞と宝たちのことが気になるようだ。宝たち三人に注目している。
キーボードを叩く音が消えた静かなオフィスには、沈黙が生まれる。
しかし、生まれ出たその静寂は宝によってふたたび掻き消された。
「あの、俺。椎名さんが倒れるの、嫌です」
自分は丞に快く思われていない。年下でしかも成績も丞より下の自分に意見されるのはかなりの屈辱だろう。それでも、宝は丞に休んでほしいと切に思った。
たとえ、もう二度と口を利いてくれなくても、それでも丞の体調の方が大切だ。
ファイルを持つ手が震えるのは仕方がない。だって自分はこれからもずっと丞に疎 まれるだろうから。もしかすると、生意気な自分はもう来なくても良いと言われるかもしれない。
丞に会えなくなることが、何よりも怖い。
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