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異変。(7)

 そして次の瞬間、宝は息を飲んだ。  丞が蹲っていたであろうそこには、大きな黒い塊が見える。  どうやらその塊は生きているらしい。それはゆっくりと起き上がると、宝と対峙した。  ぐるぐると腹の底から獣の呻り声を発している。  轟々(ごうごう)たる雷鳴と共に二度目の稲光が室内を照らす。  そこで見えたのは、椎名 丞という人物ではなく――。  大の大人ほどもある、一匹の――。  大きな狼だった。

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