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丞の正体。(7)

 阿佐見はゆっくりとした足取りでこちらにやって来ると、自己嫌悪に陥っている宝を宥めるようにして微笑んで見せた。 「まったく、こいつはまだ自分の力を制御できねぇのかよ。いったい何百年かかるんだか……」 「それだけ魔力が強いのよ、丞は……」  相変わらずの憎まれ口を叩く斎に首を振り、阿佐見が答える。 「えっと……」  自体を上手く飲み込めない宝は、もうどこから何を訊ねればいいのかわからない。  彼らを交互に見ていると、阿佐見が口を開いた。 「わたしと斎、それから丞はウェアウルフなの。わたしたちウェアウルフはひとつの群れとして行動を共にして生きているのよ。満月の今日はわたしたちの魔力が一気に高まる時でね、彼が体調を崩したのも、不用意に変身したのもその所為なのよ」

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