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訪問者。(3)
もしかすると、彼は自分を抱いたことを知ったのかもしれない。なにせ自分は忠告を受けた阿佐見と斎に傷ついた丞を懐抱したいと自ら志願したのだ。彼らからの伝手で話を聞いている可能性だってある。
それにゴミ箱!!
彼に抱かれた痕跡が丞の部屋にある。安易に行動してしまった自分が今になって悔やまれる。
しかし、である。事実を自分の口から告げなければ、その真意は闇の奥に眠る。
大丈夫。彼には知らぬ存是ぬを貫き通せば済むことだ。
誰が訪問したのかを覗き穴で確認しなかった自分が悪い。
宝は苦虫を噛むようにして、赤い唇を噛みしめた。
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