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恋の終わり。(3)
真実を明かした斎から逃げようとしても何も変わらない。事実はもう、知られてしまった。
それでも宝はなんとかこの場から逃げられるよう願った。
「やはり、か……すまない。いや、謝って済む問題じゃないのは知っている。この罪はきちんと償って……」
「――っつ!」
自分の身を犠牲にした償いなんていらない。
宝が欲するのはただひとつ、丞からの愛だ。
しかし丞の心に宝はない。
好かれてもいないのに、側にいてくれても少しも嬉しくはならない。
「いいんです、そんなの!!」
彼がこれだから言わなかった。
自分を犠牲にしてまで責任を果たそうとするのが嫌だったから、宝は抱かれた事実を言わなかった。
好きな人に、自分を抱いたことで責任なんて感じてほしくなかったから……。
だって丞に抱かれることを望んだのは宝本人だ……。
けっして丞の責任ではない。
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