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秘恋。(1)
†
朝の静けさの中で項垂れ、泣きじゃくる宝の声だけが響く。
斎と丞を拒絶する宝は、ひとりきりになれることを願った。
これで自分の恋は終わる。
丞は罪を償うまで宝を傍に置く。自分ではない誰かを想いながら――。
宝はただただ首を振り、唇を噛みしめる。
自分はけっしてそんなつもりで丞に抱かれたわけではない。
たとえ一夜の過ちであっても、それでも丞の腕の力強さや唇の感触。そして彼のぬくもりを知りたかっただけだった。
「……ごめんなさい。ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったのに……」
自分が愚かだったのだ。恋を諦めきれず、側で見ているだけでもいいからと、いつまでもこの恋を引きずっていた自分が悪い。
その結果、好きな人を苦しめることも知らずに……。
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