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秘恋。(5)

 やがて宝の胸が幸福感でいっぱいになると、とうとう何も言えなくなってしまった。 「君が好きなんだ。どうか頼むから、俺の傍にいてくれないか?」  自分は彼に嫌われているとばかり思っていた。  けれど本当は好いてくれていただなんて!!  夢のようだ。  宝こそ、丞の傍にいたいと、どんなに願ったことか。  だから宝はたくましいその腕の中で何度も頷くのだった。

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