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第3話
どうしていいか分からくなって翔に相談しに家に行った。
翔はムスッとしながら僕の話を聞いてくれた。
女の子だったらその一言を聞いた翔は「いっくんは女の子より可愛いから!女の子じゃなくても関係ないよ!」となぜか怒っていた。
そんな翔のおかげで悩んでいたことが少しどうでも良くなった。
その夜、僕は翔の家に泊まった。
「いっくんお願い。一緒に寝ていい?」
「いいよ。」僕は断れなかった。
翔の体が僕を包み込んで翔の心臓の音が早くなった気がした。
次の日一緒に登校したはずの翔が教室にいなかった。
不思議に思っていると翔がムスッとした顔で戻ってきた。
「翔ー?どうしたの?」
「城沼と話してた」
「え?なんのはなししてたのー?」
羽咲ちゃんが聞いた。
僕も気になった。
「りりには関係ない」
それだけ言って前を向いてしまった。
先生と何かあったのかな?胸がもやもやした。
先生が教室のドアを開けて入ってきた。
一瞬目があったように思えたけど気のせいかな?そらされた気がした。
それから何日か経ったけど先生は話しかけてくることも無くなった。
翔とずっと二人でいることが増えていった。
「翔〜?この間何話してたの?気になる。
あれから先生に避けられてる気がするし……」
「ごめん……。俺が、俺が先生に余計なこと言った。」
翔は少しづつ話してくれた。
翔が僕のことを好きになったこと、そして僕が先生を好きなこと。
もし、先生が僕のことを好きで付き合う気があったとしても教師と生徒、男と男だってこと。
その気がないならもう近づくなって。
「翔。ありがとう、話してくれて。翔は僕の事を思っていってくれたんだよね?伝わってるよ」
「お前のそーゆーとこずるい。まだ俺は好きなんだよ……」
馬鹿って小さな声で呟いていた。
その日の放課後。
「いっくん!ごめん。今日生徒会行かなくちゃ行けなくて、先帰ってて!」
「わかったぁ〜」
翔はこう見えて勉強もできる。
生徒会に入ってるいるのだ。
自慢の幼なじみでしょ?なんで好きにならなかったのか自分でも不思議なくらいだよ。
一人で帰る帰り道はなんだか寂しくて冷たかった。
先生と僕はどうなりたいのか、羽咲ちゃんになんて話そうか考えながら歩いていたら。
後ろから口を塞がれた。
目を覚ますと知らない車に乗っていた。
「あ。目さめた?坊や可愛い顔してるからちょーっとお兄さんたちと気持ちいいことしようね?」
視界がぼやけて上手く見えない。
男の人が3人?笑い声が怖くて怖くて震えが止まらない。
「あーあー。大丈夫だよ。痛くはしないからね」
触れてくる大きな手が気持ち悪い。
怖くても声も出ない。
「やっべぇ〜俺こんな可愛い男抱いた事ねー。女より可愛いんじゃね笑もう耐えれねぇ俺1番な!」
怖くて抵抗も出来なくてただただ泣くことしか出来なかった。
僕は知らない人に犯されたんだ。
知らない人達は僕を捨てて逃げていった。
おしりの辺りがドロドロして気持ち悪くて悔しくて悲しくて。
家に帰りたくなくてもふらふら歩いていたら気がついたら城沼先生と会った公園にたどり着いていた。
はぁ。
なんでこんな目に遭わなきゃ行けなかったんだろう。そう思ってるのにふと先生に会いたくなった。
「円?なんで……こんなとこにいるんだ。」
会いたいと思った時になんで現れるんだろう。
「おまえ、その傷……」
先生は何も聞かずにそっと抱きしめてくれた。僕は無我夢中で先生の胸の中で泣きじゃくっていた。
どれくらい時間経ったのかわからない。
先生はずっと抱きしめてくれていた。
泣きながら僕はあったことを全て話した。
嫌われたくなくて、でも、1人で抱えきれなくて僕はもう汚れてしまったんだ。
「ごめんなさい……。僕汚いです。」
「大丈夫だよ。お前は綺麗だし可愛い。汚くなんてないよ。」
「そう言えば俺の前で泣くの二回目だなぁ。事情は俺から親御さんに話しとくよ。大丈夫か?」
「何から何までごめんなさい。ありがとうございます。」
「あと、本庄が連絡が取れなくなったって焦って俺のとこまで来たから一応連絡入れといてやれ。」
先生は優しい。優しすぎる。こんな汚れた僕を綺麗だと言ってくれた。僕、やっぱり先生が好き。
先生と一緒に並んで歩くのも二回目だなぁなんて考え事していたらいつの間にか家に着いていた。
僕は直ぐにお風呂にはいった。
何度も何度も触られたところを洗っていた。
気づけば皮膚が赤くなっていた。
その間に、先生は親に事情を説明して帰って行ったみたいで、親が僕を抱きしめてくれながら泣いていた。
あぁ、なんか今日は疲れたぁ。
翔に連絡を入れようと思ってそのまま寝てしまっていた。
〜次の日〜
学校に着くや否や翔が僕を抱きしめた。
話さなくちゃなと思い、翔を連れていつもお弁当を食べている屋上への階段に来ていた。
翔は僕の話を聞きながら泣いていた。
「ごめん。俺が1人で帰らせなかったら……こんなことには……なってなかったのに。守ってやれなくてごめん。」
翔は悪くないよ。大丈夫。
「大丈夫だよ。先生が僕が泣き止むまで一緒にいてくれてパパとママにも説明してくれた。」
「俺、あいつのこと嫌いだ……。でもいっくんがそれで救われたなら俺はちゃんと謝ってくる。」
翔は律儀だなぁと思い二人で腫れた目のまま教室にはいった。
まだ昨日の記憶と傷が痛むが僕は愛されているなと感じていた。
それと同時に羽咲ちゃんに先生が好きだって話をしようと決意した。
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