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第5話
(翔吾さん。寂しい。もう会いたい。)
(いつでもおいで。俺ら今は付き合ってるんだし。学校も今はないから教師生徒関係ないよ)
翔吾さんからのLINEで嬉しくなった。
それから僕は翔吾さんの家で宿題をするようになった。
翔吾さんのことを家に行く事に知っていることが増えてきた。
翔吾さんは家事が得意で、オムライスをよく作ってくれる。
年齢は22歳。
タバコは20歳から吸っていたが教師になると共に辞めたらしい。
甘いものは苦手でじつはお化けが怖い。
ちょっと可愛いよね!笑
男の人を好きになったのは僕が初めてで元カノは5人。
胸は巨乳派で初体験は15歳の時らしい。
僕はどんどん翔吾さんが好きになった。
翔吾さんはあのことがあったからか僕を大事にしてくれているのかキスもまだしていない。
僕は少し寂しいななんて思っていた。
そんなある日の事だった。
いつものように映画を見ていてふと横を見ると翔吾さんが寝ていた。
僕は思いきってキスをしてみようと唇を近づけた。
その瞬間翔吾さんの目が開いて唇に手を置きニヤニヤしていた。
「あれ?苺恋もしかして襲おうとしてた?」
イタズラそうににからかってきた。
「し、してないもん!顔が綺麗だなって」
誤魔化そうとしたら翔吾さんに膝の上に向かい合うように座らせられた。
体格差のせいかひょいっと効果音が聞こえそうな程に軽々乗せられた。
「ねぇ、苺恋キスしていい?」
翔吾さんがやさしく僕に聞く。
耳元で囁かれた声に僕はどきどきしながら頷き目を閉じた。
先生の体温が唇を伝って感じてくる。
初めてこんなキスをした。
あの日の記憶が翔吾さんの手で幸せなものへと塗り替えられていく。
翔吾さんの唇が離れて二人で顔を見合わせて笑っていた。
そんな翔吾さんが愛おしくて僕からもした。
翔吾さんは顔を恥ずかしそうに隠しながらずるいと言ってきた。
ずるいのはどっちだ!と心の中で言っていたのは僕の内緒!
翔吾さんと過ごす日がだんだん多くなって僕の中で翔吾さんが全てになっていた。
「もうすぐ年末だなぁ。一緒に初詣行きたかったけどさすがにまずいからなぁ……」
少し寂しそうな顔をしていた。
「だったら、僕からひとつわがまましてもいいですか?」
今までわがままをあまり言ってこなかったせいか翔吾さんはよく、僕にもっとわがままをいえと言ってきていた。
一緒にいるだけで幸せだし、他はいらないと思っていた。
「年越しの日僕と一緒に過ごしてください!親には友達の家に泊まりに行ってくるって嘘つきます。」
「……」
先生は黙ってしまった。
1度もお泊まりなんてしたことがなかったから断られるかなって思っていた。
「ふはっ。そんなことかいいよ。一緒に過ごそう。」
先生は吹き出して笑いながら許可してくれた。
僕は既に31日が楽しみになっていた。
年越しの日僕は少し変な期待をしながら翔吾さんの家に向かった。
新しいパンツに可愛いパジャマ。
ウキウキしながら翔吾さんの家に向かった。
大好きな人とお泊まりなんて初めてだなぁなんて自分でもわかるくらいに浮かれていた。
少し前に翔吾さんの家は合鍵を貰っていていつでも入れるようになっていた。
「しょうごさーん!おじゃましまーす!」
「お、いらっしゃい!」
翔吾さんはいつもと同じように迎えてくれた。
僕たちの中で翔吾さんの家から帰る時と来た時は毎回ぎゅーをするのが当たり前になっていた。
大好きな温もりだなんて思いながらすこしそわそわしていた。
そんなことも知らずにいつもと同じように宿題を教えて貰ってお昼ご飯を一緒に作って、映画を見て夜になった。
僕はなんだか一人で少し期待しすぎてるんじゃないかと不安になった。
「よし、苺恋風呂はいってこいタオルは置いておくよ。」
あれ、一緒に入ってくれないのかななんて思っていたけど恥ずかしくて言えるわけが無い。
湯船につかりながらなんだか変な期待をしていた自分が惨めになった。
「お風呂上がりました。ありがとうございます。」
「お、タオルの場所分かったか?苺恋せっけんのいい匂いがする。」
翔吾さんの顔が近くなってキスでもして貰えるんじゃないかと思い目を瞑った。
僕の期待とは裏腹に翔吾さんはキスされるとでも思った?ってからかってきた。
僕は少し拗ねて先に翔吾さんベットに入った。
ベットからは大好きな翔吾さんの匂いがした。
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