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犬 2
俺は声を殺してあえぐ。
枕に顔を押し付けて。
「もういい・・・もういいからぁ・・・」
低い声で囁くのを聞いてないフリをされる。
でかい指が俺のケツの穴を虐めてくる。
もうコリコリになってるそこを指で執拗に擦り立ててくるのだ。
ひゅぐぅ
ノドで押し殺した声が俺の喉から零れる。
男に持ち上げられてるケツからつま先までが痙攣する。
脳に甘く針が刺されて、穴が収縮する感じ。
穴のそこを押される度にそれが来る。
ふぐぅ
ふぐぅ
俺がは枕に声を吐き出す。
堪んね、気持ちいい、でも、もうヤダ。
指だけで何回イカサレてるのかわかんねぇ。
精液出さずにもうイケる自分が怖い。
「ケツイキしまくりだな。なぁ、中ゴリゴリされたくねーのか。オレのデケェので」
背中にのしかかれて、耳を甘く噛まれて囁かれる。
ぴちゃぴちゃと分厚い熱い舌で耳の穴を舐められながら囁かれたら、ケツの穴まで舐められてるからこそ、その舌を耳で感じるだけでまた、身体が震えてしまう。
尻にデカいのを擦り付けられながら言われると、さらにヤバイ。
コレの良さをもう知ってるからヤバイ。
めちゃくちゃデカいそれを、奥まで。
広げられてゴリゴリされる。
想像しただけで涎が出てた。
尻を振って自分からソレに擦りつけていた。
「奥までぶち抜いて、奥でたっぷり出してやる。なぁして欲しいだろ・・・・?」
男は甘く囁く。
奥で何度も当てられて、熱いのがそこではじけるのを考えただけで、身体がビクビク震えてしまった。
「・・・可愛いぜ。考えただけでイったのか?」
男の声はどごまでも低く甘い。
男は俺の乳首を摘みながら、震え続ける俺の身体を背中から抱きしめて笑った。
その深い低音にまで俺は犯される。
こんな風に胸を揉まれ、乳首を摘まれて押しつぶされながら回されると、腰が揺れてしまう程気持ちいいなんてことも俺は知らなかったのに。
ひゅううぐ
うぐぐっ
枕を噛んで声を堪える。
だめ。
ダメだ。
強く乳首を摘まれたら、穴がキュンキュンしまる。
また痙攣してしまう。
ケツでイクのがとまらない
もう穴を触られてないのに。
男は嬉しそうに尻にデカいのをはさむように擦り付ける。
それに自分から動いてしまう。
熱くてデカいコレ。
ほしい。
でも。
ダメだ
ダメ。
声が出るからダメだ。
この長屋は壁が薄くて、隣りの婆ちゃんのテレビの音が聞こえるくらいなのだ。
「・・・ダメだ」
俺はちゃんと言った。
聞こえないフリは許さない。
男はため息をついた。
「仕方ねぇ。せっかくこんなに穴までトロトロになってるんのに勿体ねぇが、俺の挿れたら声を我慢出来るわけねーよな。俺のちんぽお前大好きだからな。俺のが大好きだもんな。なぁ?」
そう言いながら、穴にちんぽを男は押し付けてくる。
穴が欲しがって自分から開こうとするのをオレは感じてしまう。
もう挿れて、と言いたくなるを必死で堪えた。
俺はご近所に自分のセックス生中継するつもりはない。
そこは人間としての人間としての、大事な事だから二度云う、そう、人間としての最低ラインだ!!
ご近所に、セックス生中継なんか出来るか!!!
「好きだよ。お前のちんぽもお前も。だから・・・止めろ」
俺は言った。
男はやっと押し付けるのを止めた。
「好き」が効いたのだ。
この男は俺が言う「好き」に弱い。
この男は身体以上のものを俺に求めているのだ。
ぶっちゃけ、強引に進められても俺は拒否できる自信は全くない。
男があたえてくる快楽は桁ハズレだからだ。
ご近所にセックス生中継しちゃうだろう。
喚いて泣き叫び、イキまくるだろう。
数ヶ月前まで女の子大好きな大学生だった俺が、男に奥まで突かれて出されたいと思ってしまう身体に変えられてしまってるのだ。
だけど男はそうしない。
「オレが好きか?」
引き起こされ、枕から顔をはずされ、向かいあうように抱きしめられる。
そして、顔を覗き込まれる。
いつもは乱反射してヤバイ光を放ってるオレンジ色の瞳が、ハチミツみたいに甘い光になっている。
「好きだよ」
俺はそこは悶えながら、でもちゃんと言う。
焦らされまくって、熾火で炙るみたいにイカされてまくっていることと、好きということ、これは別ものだ。
快楽に流されて言ってるわけじゃない。
男が子供みたいに笑った。
指で俺をやらしくイカしまくって、穴をなめてもイカしまくって、デカいチンポで俺を籠絡しようとしてた男とは思えないような無邪気な笑顔だった。
顔半面に彫られた炎のタトゥーさえ、凄みが和らぐ笑顔だった。
男はデカい。
180後半くらいはある。
発達した筋肉は岩のようで。
異国の血を感じさせる肌は褐色で、その身体の左半分に炎のようなタトゥーを顔にまでいれていた。
そうそのご立派すぎる性器にも左半分だけ炎が彫られている。
舐める度に口の中が焼かれる気持ちになるくらいだ。
( そうだよ、俺はこの男のチンポを自分から舐めて咥えて、なんなら飲んでんだよ、ええ、喜んでやってるよ!!)
生きながら半身を焼かれているようなタトゥーが左半身すべてに入っている。
手の指先までから足の爪先まで。
それは顔半分にも入っていて、誰にでもコイツが「ヤバイ人」だとわかるようにな親切仕様になっているのだが、今笑ってる男は。
無邪気で思わずドキドキするほど可愛いかった。
「好きだから、わかれ、バカ」
俺は男に自分からキスした。
男はしっかり俺を抱きしめ、でも、絶対に壊さないようにしながら、目尻を下げながら俺のキスを大人しく受けていた。
されるがままになってるのが可愛いと思ってしまう時点で俺も末期だな。
でも 可愛いもんは可愛い。
見えない耳と尻尾を男に感じた。
昔、犬がいた時、見てなくても犬が尻尾を振ってるのを感じたのと同じ感覚がした。
「挿れるはダメだ・・・今日はダメ。でも・・・何とかしてくれ・・・」
俺は心の底からお願いした。
男が煽るだけ煽った身体は、出口を求めて欲しがっていた。
ジリジリイカされて、もう限界だった。
だって、あんなにいかされてるのに、まだ射精してないんだぞ?
信じらんねぇ、男じゃないともう、射精もできない体にされてるんだぞ。
自分だけでは射精できなくされてるし・・・。
この男は本当に恐ろしい。
本当に恐ろしい。
「枕噛んでろ・・・」
優しく男が言った。
そしてそっと俺の身体をうつ伏せにして、俺の腰を持ち上げ、太腿にデカいのを挟み込んだ。
素股ですましてくれるのだ。
良かった。
「ちゃんとイカせてやるよ。気持よくなってろ」
男は優しく言った。
熱くてでかいのが、太腿の間にあって、俺の玉から竿に当たってた。
熱くてソイツがどんなに怖くて甘いかを俺は身体の中から知ってた。
「ぶち込みてぇし、まだお前の奥の部屋まではいってねぇからそこの良さも教えてやりてぇけど、時間はまだまだあるからな。なぁ・・・ずっとずっと一緒だもんなぁ。結腸抜くのは今度でいいぜ。なんと言っても、お前はオレが好きでずっとずっと一緒だもんなぁ」
男が焦らすように背中を舐めながら囁いてくる。
結腸?
何?
まだなにかあんの???
尻でイカされまくるそのほかに!!
「オレが大好きで、ずっとずっとずっとずっと一緒にいるんだもんなぁ」
背中をなめて、熱いのを俺の裏筋に押し付けてくるくせに、動いてくれない。
「オレが好きで好きで、好きで好きで好きでずっとずっとずっと一緒にいるんだもんな」
まだ男は言ってる。
背中を舐められて、身体が疼き、熱いのが裏筋に押し当てられて、腰が揺れまくる。
焦らしてやがる。
クドイ!!
このボケ、くどすぎる!!
「ボケ、死ね、好きって言ってるのに!!」
俺は泣いて言う。
それでも声を殺さないと。
男は震えた。
俺に好きと言われるのがクるのだ。
「ずっと一緒だろ」
低いバリトン。
「一緒だよボケカス死ね、クソが!!」
俺がとうとう怒鳴った。
隣りの婆ちゃんが喧嘩だと思ったのか、心配そうに壁を叩いてきた。
「大丈夫喧嘩じゃねーよ!!婆ちゃん!!」
壁越しに叫ぶ。
クソが。
クソが。
「イキたい・・・」
低い声でガチで泣いたら、男が息をのんだ。
「すまねぇ・・・泣かせてぇわけじゃねぇんだ」
男の見えない耳と尻尾が垂れた。
「愛してる」
慣れない調子でひくくささやかれた。
ヤバイ。
俺は声で震えた。
声でまたシリイキしたのだ。
そして、熱いのが俺の股間を擦り始めた。
尻を犯すあのリズムで叩きつけられるように、動かれ、こすられていく。
枕を噛んで耐えた。
たまんなかった。
求められてる感じとか、熱さとか体温とか。
「愛してる」
言われることにまだ慣れてないコトバとか。
「イケよ」
深いバリトンに言われて、俺は枕に声を送り込んだ。
思い切り精子を飛ばしながら。
俺はもう。
この男の許可がなければ射精さえできない身体にされてしまっていた。
なんてこった。
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