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悪魔 14

「静かな部屋でそのCDをヘッドホンをで聴くんだ。それだけで、めちゃくちゃキマるって話。LSDや覚醒剤とは比べ物にならない幻覚と、ヘロインみたいな多幸感。音楽を聴くだけでそうなる。だから、クリーンなんだ、そんなCDの存在はずっとウワサになってる」 ドクターが内藤に説明する。 内藤が自分を見つめてお話しを聞いてくるくれるだけで、もう幸せ過ぎて死にそうになってる。 ドクターには内藤が1番の麻薬なのは間違いない。 「今時CD?」 内藤は不思議そうにいう。 「噂は俺の親の頃から流れてるからな。なんでカウントCDとよばれているのかもわからねーんだ。だがずっと噂されてて、消えることはない」 クスリよりもぶっ飛ぶCDがある。 スゴいらしい。 音楽だけで、めちゃくちゃイけるらしい。 最初はCDではなく、レコードだったらしい。 ロックだった。 いや、クラシックだった。 人の歌声だった。 何一つちゃんとした情報はないままの、都市伝説だ。 「そのCDを俺が持ってるということにしたら?」 少なくとも、身体には害のない音楽をつかった新しい「麻薬」。 ユウタには興味があるはずだ。 むしろ、ユウタにこそ、これは必要なはずだ。 綺麗な身体で売りたいはずだから。 子供達を。 「本当にはそんなモノないんだ?」 内藤が安心したように言う。 「わからない」 俺は正直に言う。 そこは他の都市伝説と違っていて。 だからこそ利用できる話だと思ったんだが。 「どういうこと?」 内藤。 「かなり近い感じのものが無いわけではないんだよ。内藤くん。音楽や催眠術やセックスを複合的につかえば、とんでもない快楽に引きずり込めることは可能だしね。誰にでも聞くとは限らないけれど暗示と音楽だけで、かなり深いところまで潜れる可能性はある」 さすがにドクター。 良く知ってる。 「使ったことがある」 また聞きではない噂があるのがこの話の特徴なんだ。 「内藤くん、・・・興味ない?・・・その【音楽】かけて、オレに抱かれてみない?スゴい気持ちいいらしいよ?」 最低の口説き文句をドクターが内藤に言ってて、こんな最低な口説き文句を言ってしまうくらい、一流詐欺師が内藤にダメになってんだな、と悲しくさえ思ったが、内藤には単なるセクハラでしかない。 「最悪、喋らないでくれる?」 嫌悪に顔を歪められ、ドクターが凹むだけ凹む。 「ドクター、ユウタはその音楽やセックスを複合的に使って快楽をえられる【タイプ】だよな」 俺は思いつく。 「ああ、そうだな。快楽に肯定的だし、何よりそんなモノがあると信じたいだろうからな。暗示ってのは信じたいモノを信じさせてやることでもあるからな」 ドクターが気を取り直して言う。 「カウントCDを信じさせて。取引をする。そこからだ」 俺は決めた。 架空の音楽麻薬「カウントCD」それを使ってユウタを嵌める。 踊らせて、人身売買の証拠を掴んで。 ユウタを【人身売買】を終わらせる。 その後のユウタの身柄はナツに渡す。 さて。 後は。 どうやっていくか、だ。

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