48 / 118

閑話 内藤くんとドクター

「嫌っ!!」 逃げようとする身体を押さえつけた。 ホテルの部屋まで無理やり連れ込んだ。 ズボンのチャックを下ろしてそこを直接さわってやる。 ドクターは自分の指がどれ程凄いのかを知っている。 握り込む強さもこする速さも指先で先を弄る感覚も、快楽が一番与えられるところでやれる。 神経を掴み出すようにして愛してやるのは当たり前のようにやれるのだ。 人を誑し込むのに使うのは、言葉だけじゃない。 「嫌ァ・・・」 泣いてるけど、もう濡れてるし、しっかり勃ちあがっている。 腰だって揺れてる。 可愛いもんだ。 「気持ちいい、でしょ?」 囁いた。 柔らかく双球も揉みしだいてやった。 耳だって甘く噛んでやる 首を横に振られているが、先ばかりを親指を使って穴のあたりを虐めてやったなら、爪先立ちになって腰を振る。 可愛い。 背後から抱きしめて立ったまま楽しんだ。 震えて悶える小柄な身体を抱きしめたかった。 ずっとそうしたかった。 シャツをまくり上げて、夢にまで見た乳首も弄る。 指で摘んで潰したり、ゆっくり撫でたりした。 声を上げて感じる身体は可愛い過ぎた。 勿論性器も同時に虐めてやる。 可愛いから。 この指は誰よりも巧みに動く。 細かい神経の流れさえ感じ取る。 ドクターの指は乳首の快感に固まるそこを、甘く潰した。 震えるような快感を指先で捕らえて撫でた。 ペニスの裏筋の良さを教えこみ、尖端のギリギリの良さに悲鳴を上げさせた。 「内藤くん、イって!!」 ドクターの声は甘かった。 声のままに精液を吐き出す身体を抱きしめた。 内藤くん。 内藤くん。 そう名前を何度も呼んだ。 力なくなった身体をベッドに押し倒した。 それでも、逃げようとするから、抑えこんでまた胸を弄ってあげた。 尖って触って欲しくてたまらないように腫れたそこはもう性器とつながっていて、そこを摘んだなら、ペニスを握りこまれたように泣き叫んんだ。 「感じてるね、可愛い。内藤くん」 首筋にキスをしながら、囁いた。 口を開かせ、口の中をすみずみまで舌で堪能した。 腕の中の身体が蕩けてしまうまで。 ドクターの指は快楽を掴み出す。 その巧みさに、すすり泣くことしかできなくなる。 もう逃げない。 また性器を立てて、泣くだけ。 「胸だけでいこうね?」 囁いた。 指で胸を弄られるだけで、射精した。 そんな信じられないことをもう身体は受け入れてしまった。 泣いている。 信じられなくて、泣いている。 可愛い、内藤くん。 本当に可愛い。 「胸よりね、こっちのが気持ちいいよ?内藤くん」 ドクターは穴の周りを撫でた。 その撫で方だけで、身体が跳ねた。 それを身体で抑え込むのがいとしくてたまらない。 「いや・・・」 また泣いた。 「嫌はないんだよ、内藤くん」 ドクターは出した物を指に絡ませて、そこへ指を沈めて言った。 もう片方の指で、乳首を弄りながら。 嫌だと言ってたくせに。 穴は指を受け入れた。 この身体はもう、この指を受け入れているのだ。 初めてで。 キツくて可愛い穴だった。 「いやぁ、お願い、いやぁ!!!」 泣いて痙攣しているのは、感じているからだ。 初めての快感が過ぎるからだ。 「オレの内藤くん、大好き」 ささやかずにはいられなかった。 愛しかった。 何度も何度も、穴のソコを潰してやった。 ヨダレをたらして、泣いて射精をしまくった。 指を増やしたなら、自分から腰を振った。 「内藤くん、内藤くん」 叫び続けた。 そして、誰も入ったことのない穴を犯した。 穴はドクターを欲しがって、締め付けてきた。 「内藤くん、内藤くん!!」 叫びながら抉った。 快楽を知らなかった身体は何度も逃げようとし、それを押さえつけて、教えこんだ。 逃げられないように快楽を教え込む。 離れないように。 とうとう、自分からしがみつき、キスをねだるようになったから、激しいキスと一緒に中に注ぎ込んだ。 悦ぶ姿に目を細めた。 「内藤くん、欲しい、内藤くんが欲しい」 また、犯した。 何度も。 何度も。 夜が明けても。 「内藤くん」 その名前ばかり呼んだ。 抉って、穿いて、鳴かせ続けた。 感じて欲しがって、しがみつくのが可愛いかった。 もう動かなくなった身体から、やっと離れた。 「どうして、僕を内藤って呼ぶの?」 それが意識を失う前のソイツの言葉だった。 2度と会うことはない、街で見つけた内藤くんに似た雰囲気の、セックスしたことない、処女童貞くん。 名前など知る気もない。 処女童貞で、潔癖な子じゃないと、最近はだめ。 セックスしたくない位の子じゃないと。 また探さないと。 内藤くんの代わりにはならなくても、せめて、この妄想をしてないとやってられない。 こんなオナニー辛すぎるけど。 ドクターは気を失った相手を置いて部屋を出た。 万札を数枚ベッドに投げ捨てて。 部屋を出たなら、相手のことなど忘れてしまう。 オナニーの道具でしかない。 「今日は内藤くん、喋ってくれるかなぁ」 それだけを思う。 内藤くんが自分に向かって話してくれるだけで幸せなのだ。 内藤くんが笑ってくれたなら、死んでしまうかもしれない。 「内藤くん」 その名前しか呼びたくない ドクターは愛しい人を思ってため息をついた。

ともだちにシェアしよう!