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トラップ 5
種明かしをしてしまえばこの世界にそれを聞くだけでイける、カウントCDなるものなど、あるわけがない。
音楽だけでイけるわけなどない。
中身は単なる環境音楽だ。
ヒーリングっぽい音楽を入れてみた。
だが、音楽で少年がイったのは事実でもある。
でも、それは音楽のせいではなく、少年の側に理由がある。
なんのことはない。
音楽を聞いたなら、脳内でセックスが再現されるように催眠術がかけられていたのだ。
催眠術をかけたのはドクター。
ドクターは少年を買ったのだ。
俺達や内藤と会ったことのないユウタの仲間の少年達をリストにし、ドクターはその全員に催眠術を仕込んでいた。
ユウタが俺を疑っているからこそ、誰を実験に使うのかを絞り込めた。
ドクターはこの数週間、客として絞り込んだ少年達を買って、ホテルで術をかけていたのだ。
「術だけだ。俺は子供に手を出したりなんかしない」とドクターは内藤の目を真っ直ぐにみつめて言っていたが、少年のあの様子を見る限り疑わしい。
ドクターは誰より嘘つきだからだ。
あの再現された性行為は、ドクターが少年にしたことなのだと俺は思っている。
ホテルで抱いてイかせまくって。
それも、「術」の一つだったんだろう。
ドクターが言っていた。
「催眠術」は相手が嫌がることをできないのだ、と。
心をひらかせ、身体の奥底まで揺さぶり、ドクターは少年を支配したのだろう。
でなければ、あそこまで深く術にかからない。
音楽を聞いて、性行為を再現させるまでには。
ドクターの倫理観は限りなく低い。
14、15の子供を抱くことくらい平気だろう。
内藤だって見た目は高校生なのだから。
本当にいつかはドクターを警察かどこかへ突き出すことも考えないといけないな。
ユウタどころではない、悪党なのは間違いないのだ。
だが、ドクターはどこかで一線は引いている、はずだ。
ユウタとは違い、人の苦痛自体が目的ではない、はず、だ。
はず。
ごめん、ちょっと自信がない。
ドクター最低野郎だし。
とにかく、ドクターによって術が仕込まれていて、それに少年が反応しただけだ。
ヘッドホンで、ダサい環境音楽が聞こえたらセックスを再現してイキまくるという暗示の結果だ。
音楽はスイッチ。
このCDにどんな力もない。
だが、ユウタは信じた。
「これは誰が使ってもこういう感じになるのかな?そう、まるで尻を犯されているみたいな」
ユウタは聞いてくる。
「いや、人それぞれだ。その人間の性経験や性癖にもよる」
俺はユウタに言った。
「相手のいないセックスか」
ユウタは笑った。
思っていたモノと違ったんだろう。
「ただし、最高のね」
俺は強調した。
思い出したようにヒクつく、少年の体をユウタは撫でた。
少年が喘いだ。
意識を取り戻したのだ。
「そうみたいだね、余韻だけでコレだ」
ユウタは少年の乳首を摘んだ。
少年がわけのわからない言葉を叫んでまた身体をけいれんさせる。
ずっとイっているのだ。
スゴい術なのは間違いない。
「欲しい。1枚いくらだ?」
ユウタは聞いてきた。
少年の身体を撫でている。
その度に声を上げて悶えるのが面白いらしい。
ふと、少年にのしかかり、シャツを脱いだ。
少年をこのまま抱くつもりらしい。
平然と、俺や取り巻きの前で、慣らしもせずに少年の後ろの穴を犯し始めた。
少年はユウタにしがみつき、泣きながら感じる。
「凄いな、慣らしてないのに後ろが緩んでる」
くすくすユウタはわらって、腰をゆっくりとまわした。
「ダメぇ・・・ああっ!!やたぁ!!」
少年は声をあげて狂ったように尻を振る。
脳内麻薬がMAXに出ているから、何をされてもおかしくなるほど感じているのだ。
ユウタはそれを笑いながら楽しみ、腰を苛烈に打ち付け続けた。
少年は泣き叫ぶ。
多分もう、相手が誰かもわかってない。
「金では売らない」
俺は言った。
少年を激しく責めさいなんでいたのをユウタはピタリやめた。
止まる。
「何が欲しい?」
初めてユウタの本性が見えた気がした。
ドロドロした内面がその目か覗いていた。
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