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祭り 4

ドクターはユウタを抱いていた。 この美しい顔をした、中味は腐りきった少年は、それでも抱くには本当に良かった。 それは向こうもそう思っているだろう。 利用するだけの肉体というのは、たまらなくいい。 特に、ユウタの目の前で、金髪男を散々犯したあとってのがいい。 ユウタにバカにされ、泣きながら、それでも金髪男は欲しがった。 どうしようもないマゾヒストなのだ。 サディストのふりをしていただけの。 でも、それを今でも認められなくて、それをカウントCDのせいにしているから、ユウタをだますのに本当に丁度いい 本当のところは、ユウタもドクターも、この男にご奉仕しているだけなのだ。 今も床に縛られ、バイブを突っ込まれて泣きながらイキ続けているけど、こんなのマゾヒストには本当のところ御褒美でしかない。 まあ、いい。 真性のサディストであるユウタは、男を傷つけ苦しめているの思いこんで、興奮し、たまらなくドクターとのセックスでエロくなってくれたのだから。 金髪男がくやしくて泣いてる、苦しんでる、と思うだけでイケて、締まるユウタの穴をドクターはたっぷり堪能した。 「あんた、いいな」 奥を突き上げる感触を嬉しみながら、 関西訛りと本来とは似ても似つかぬ声で、囁く。 どんなに堪能していても、ドクターは仕事を忘れない。 「もっと奥まで・・・」 かすれた声でユウタが強請る。 床の上で金髪男がまたイッって、すすり泣くのを見つめながら。 締まった。 金髪男の苦痛こそが、ユウタの快楽の根源なのだ。 人が地獄に落ちるのが。 「ヒデェな、あんた。そんなに人が苦しむところが好きなんだ」 そういうドクターもそんなユウタで楽しんでいる。 より深く刺さる確度に変えて、ゆっくりと奥をこじ開けていく。 グチュ、 最奥の場所に入る感覚をドクターは楽しんだ。 先だけ咥え込まれるこの感覚がたまらない。 「あ・・・」 さすがのユウタも、言葉を失い身体を痙攣させる。 それでも、ユウタの目は床の上ですすり泣く男から目を離さない。 人間の絶望と苦しみだけがすべて。 なんて、クソなガキだ。 ドクターは思う。 だが。 穴はいい。 グチュグチュ そこでたっぷり出し入れをする。 穴全体が畝り締め付け、先を最奥の弁でたっぷりと扱かれて。 完璧な肌に美しい顔。 性器やその乳首のむしゃぶりつきたくなるエロさ。 滴る汗さえ甘い。 でも腐っている。 爛れている。 でも、だからそれが良かった。 だからこそ、楽しめる。 これは、単なる肉だから。 楽しんで揺すった。 ユウタはあまく鳴いた。 その内部の腐敗さえ、欲望にしかなかった。 ドクターもまた毒で腐っていた。 だからこそ、恐ることなく、ユウタを貪った。 毒では死なない。 死ぬのは。 多分。 愛だろう。 ふとよぎって頭をふる。 愛のあるセックスなんて、オナニーでしかした事がない。 ダメ。 考えても駄目。 その名前を出すな。 こんな汚いところにその面影さえだすことは許さない。 ドクターは自分に怒った。 そして、その怒りをユウタにぶつけ、意地悪く、執拗にいやらしく、ユウタを責め始めた。 ユウタはよろんこんだだけだったけれど。 汚らしくいやらしく、とにかくただ相手から奪うセックスを、ユウタとドクターは楽しんでいたのだった。 「祭りはどうなってる?」 ドクターはタバコを咥えながら言った。 セックスは楽しかった。 まだ床で金髪男男はバイブを入れられたまま、イキ続けて、そろそろおかしくなってきてるが、もう少しそのままにしておこう、そうドクターは思った。 御褒美だ。 酷いサディストが実はマゾヒストだということはある。 ユウタはそんなことがないのは間違いないが。 「ああ、頑張ってるみたいたね」 ユウタは微笑んだ。 ユウタは祭りでそれを始めたあの子供達、そして、街の大勢を殺すつもりなのだ。 それを思って笑う。 どんなに残酷な人間を抱いているのかと思うと、また勃起してしまうドクターが1番おかしいのかもしれない。 「人材は?」 ドクターは聞く。 ドクターはユウタに必要な人材を集めさせているのだ。 祭りの日、街でテロを行うための、操り人形となる子供達を。 「用意した」 ユウタは笑った。 美しい笑顔だった。 聖母のような。 その子供達に苦しみながら大虐殺をさせることを考えての笑みだと思ったら、ドクターはたまらなくなった。 「そんなに人が苦しみ死ぬのが、苦しみながら殺すのがいいのか?」 そう言いながら、またユウタの穴に挿入するため、コンドームをつける。 ユウタは無しではしないのだ。 のしかかって、また入れられるのをユウタも喜んだ。 「最高!!」 ユウタは惨劇を思って、穴のすべてで絞りとりにきた。 最悪の。 最高の。 穴だった。 ドクターは笑った。 これぞ、セックス。 軽蔑と憎悪、そして嫌悪。 それが最高のスパイスだった ドクターはまだ。 愛なんてもののあるセックスなど知らない

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