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オマケ 何でも

「確かに言った、言ったよ」 俺は後退りしている。 まあ、色々あった後、男にご褒美をあげなければならなかったわけで そこは男に二言は無い、つもりだった。 でも、服は紙みたいに破られていた。 ジーンズも。 興奮した男が脱がす手間さえ惜しんだからだ。 ジーンズが手で避けるなんて俺、お前に会うまで知らなかったよ。 「何デモ・・・何デモォ!!!」 ケモノが吠えた。 悪鬼の如くとはまさにこのこと。 裂けるほどに開かれた口、剥き出しの牙、涎を垂らして厚く長い舌がダラり見える。 しかも俺の服を脱ぐより先に自分の服も破って脱いだので、その鋼のように分厚い身体から、凶器以外の何ものでもないモノをぶっ立てているのが見えるのだ。 いや、何回も突っ込まれてますし、しゃぶったり舐めたりもしてますけどね!! 俺じゃなくてもビビるだろ 「おちつけ、おちつけ・・・おち、」 宥める声も聞かずに、男は俺に飛びかかってきた。 口を塞がれ、舌を捻りこまれた。 キスと言うにはあまりに激しい。 犯されているようだった。 欲しがられ、奪われていた。 その間にも、男の指は穴をもう責めていた。 それでも、ローションを忘れていないことにはホッとした。 いつもの俺をイカせたがるような、ああいうのじゃなくて。 その指は俺のソコを楽しんでいた。 的確さじゃなくて、穴を自由に楽しんでいた。 指に触れる場所全てを、欲しがっていた。 欲しがるように口の中を舌で犯され、酸欠になりながら喘いだ。 クチャクチャと舌を噛まれ、その甘い痛みに性器を硬く勃ちあがらせた。 「可愛イ・・・可愛イ・・・犯ス・・・喰ウ」 男が耳を噛みながら、カタコトで唸っていて、怖くて、なのに先から滴らせてしまうし、乳首がビンビンに尖ってるのも分かってしまう。 何をしてもいいので、男は迷わず俺の首筋に歯を立てた。 俺は叫んだ。 「イけ!!」 男が唸る。 射精していた。 男に言われたら射精してしまうようにされちゃってるんだ。 噛まれるのは、スゴくいい。 痛いのがいい。 もう射精しなくても全然俺はイけてしまうんだけど、射精の快感は男に許してもらえないと出来ないので、これはコレでたまんない。 出る感覚を涎をたらして味わった。 待ちきれないように後ろにぶちこまれた。 いつもならもっと慣らして、俺を泣かして泣かして、懇願するまで入れてもらえないのに。 イってる身体に捩じ込まれるその衝撃が、スゴくスゴく良かった。 もう、俺の身体は上級者だから、ほら。 首を噛まれ、腰を掴んで奥まで一気に貫かれ、その衝撃と痛みが快楽に書き換えられる、その瞬間までが焼け付くようで。 「欲シイ・・・欲シイ!!」 男が歯を離した瞬間に叫んだ怒鳴り声にさえ感じた。 ああ、そんな風にしたかったのか。 ゆっくり慣らすんじゃなくて、強引に貪るように動かれる。 いや、最後はいつもこうなるけど、様子をみながら執拗にされるあのイヤらしさとはまた違って、ワガママに欲しがられるのを愛しいと思った。 いつもなら、尖りきった乳首を指で捏ねながら突いてくれるのに、そんなことも忘れて男は夢中で俺を貪る。 「ぐあっ・・・ひいっ!!くふぅっ!!ああっ、ひぎぃぃ!!!」 俺はきたない声で喚く。 容赦ない突きに、脳みそまで穿たれているようで。 またイク。 何回でもイク。 シーツを掴んで背中まで震える。 ケツが震える。 中が痙攣する。 男が呻く。 締められて嬉しそうに。 「可愛イ・・・喰イタイ、可愛イ・・・」 獣が吠えた。 肩を噛まれて歯を食い込まされた。 「ひぐうぁぁぁ!!!!」 俺は白目を剥いて喚いた。 良かった。 良かった。 こんなのない。 ここが、ドクターの防音ばっちしの隠れ家の1つじゃなければ、間違いなく警察が来ている。 警察がきても、男がオレを犯しながら食っているようにしか見えないだろう。 肩や首にはうっすら血も滲んでいるはずだ。 でもいい。 いいんだ、これは、俺の男が俺を欲しがっているのだ。 中で出された。 許す。 そうしたいんだろ。 しろよ。 男は繋がったまま、俺の体を軽々と動かして、向かい合わせになった。 尖った乳首を齧られた。 この世にこんな美味いものがあるのかとでも いうように。 俺は普通の男でしかないのに、男は飢え貪る。 噛んで舐めて。 男にすっかり育てたられた乳首は俺を狂わせる。 俺はここを苛められるのが大好きなのだ。 甘い芯を噛んで欲しい。 先の神経を舌で抉って欲しい。 甘さを吸い出して欲しい それは叶えられた。 「ひぐっ・・・あがっ・・・ああっ!!ぐふぅっ!!」 甘い乳首からの痺れと、忘れないように突き上げられる中からの重い快楽に汚く喚き続けてしまう。 男が涎を垂らし、飢えた目をした。 俺を喰らいながら、さらに飢えていて。 吠えながら、腰をぶつけられ、その衝撃に腹がさけたかと思った。 良かった。 良かったけど。 男が苦しんでいた。 とても苦しんでいた。 ずっと苦しんでいた。 「愛シテルゥ!!愛シテ!!!」 男の咆哮は身体に響いて、また俺はイク。 入り切らない奥まで捩じ込まれ、そこを使って愛された。 腹に浮き出た男のそれを手で撫でられて腹でイカされた。 男は吠えながら、俺の奥を狂ったように愛した。 何度もそこで出しながら。 涎を垂らし、半目をむきながら俺は男の頬を撫でた。 ケダモノになって、俺を貪りながら、愛を叫んで苦しんでいる、俺の可愛い男をつかまえる。 「良いんだぞ・・・本当の願いを言ってみろ」 俺は分かってた。 与えてやろうと思ってた。 いやとっくに与えてる 分かってないのは可愛い可愛いこの男だけだ。 男の顔が歪んだ。泣き出しそうな子供みたいに。 俺は笑った。 可愛くて。 「言えよ」 俺は笑えただろうか。 涎と震える舌で、上手く言えなかったかもしれない。 ポツン 何かが落ちてきた。 熱い。 皮膚を確かに焼いたように思ったそれは。 男の涙だった。 男が唇を噛み締めて。 泣いていた。 「言えよ」 俺は恋人に言った。 対等であるために。 「オレのだ」 小さな声で男は言った。 少年が力無く主張するように。 ゆるされなくても、言わずにはいられないように。 男は俺に所有されることを願った 俺を欲しがる代わりに。 俺を自由にするために。 でもな、俺はお前を所有なんかしないんだ。 お前が欲しいけど。 お前は俺のものだ。 そして、俺も お前のものだ。 それは所有じゃない。 対等なんだよ、愛しい恋人。 男は泣いた。 それが許されないと思っていたから。 せめて、今だけ自分だけのモノのとして、俺を抱きたかったのだ。 恋人の意味も本当には知らない可哀想な俺の男。 モノのように抱かれ抱く世界しか知らなかった可哀想な男。 ユウタのようなこの世界の呪いだったかもしれない男。 与えて与えられるんだよ。 それを知ってくれ。 「お前のだ。そしてお前は俺のだ」 泣いてる男を抱き寄せてキスをした。 初めてキスする少年みたいに震えてて。 愛しすぎてすこし笑ってしまった。 「好きにしていいんだ。お前のだから、今日だけだからな」 俺は優しく囁いた。 もちろん、好きにしていいのは今日だけだと言うことで我が身を守る。 男は嗚咽して。 それは、俺と変わらない歳の若者で。 その心はもっと幼い少年だった。 「愛してる。わかれ」 まだ分かっちゃいない男に教えた。 まだ分かんないだろうけど。 これからだ。 これから。 俺達は。 ずっと一緒なんだから。 「オレの。おれ、の。おれの」 男は泣いて泣いて。 震える唇で、不器用なキスをした。 初めて少年がするキスみたいで、俺はやっばり笑った。 可愛い可愛い。 俺の男。 だけど、まあ 余裕があったのはここまでだった。 「オレの」 男が興奮し始めた。 今まで1番身体の中でソレがデカさを主張した。 動いてないのに、奥をこじ開けやがった。 「ま・・・あっ、あがぁ、ひぐうっ!!」 俺は背中を限界まで逸らした。 「オレのオレのオレのオレのオレの!!!!」 男が絶叫した。 震える手で掴まれ両手を重ねられた。 「ふぐっ、がはっ・・・ぐひぃ!!!」 俺は喚いていた。 男が奥の奥で自分の凶悪なソレの先を扱いていたからだ。 突き上げられる度に鳥肌が立ち、精液じゃないものが俺のもう勃起もしないそこから吹き出していく。 ちなみに俺は射精しないてもイけるのはもう知ってるな? 男が射精させてくれないと射精はできない身体にされてます。 やめろとは、今日だけは言わない。 だってこんなに喜んでいる。 与えてやりたい。 愛してる。 愛してるから。 また出された。 そしてまた激しく喰らわれる。 「オレのオレのオレの!!!」 凶悪に抉られ、でも、その笑顔は。 俺しかしらないあの笑顔で。 許した。 与えた。 でも。 最終的には後悔して。 「いい加減にしろ・・・・」 そう力無く命令した時には。 俺はこの男には何でもしてやるなんて言うことは絶対にしないと誓ったのだった。 俺は死にかけ、すぐにもドクターが呼ばれたのだった。 おわり .

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