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第8話 雑誌の撮影⑥
今回の撮影テーマは“大人の夜遊び”。
真っ白のカッターシャツにダメージジーンズと、少しラフな格好。
コンクリート剥き出しの冷たい壁と、黒色の皮のソファが一台置いてあるだけの、シンプルなスタジオ。
「まず、全員の撮影から始めますので、ソファまでお願いします」
3人掛けのソファに5人全員が座る。
普段の撮影は、可愛い表情やかっこいい表情が多いが、今回は“大人の夜遊び”。
新たなSOLEILを魅せるとだけあって、俺らはワクワクが止まらなかった。
クールな表情で撮影が進んでいく。真っ白なシャツを第3ボタンまで外し、大人の余裕を魅せる。
全部外すより、少しの露出が色気を出すポイントだそうだ。
写真という一枚の画像で、ありとあらゆる表情を表現しなければならない。
カメラマンの指示で顔つきを変えることもあれば、自分で考える事もある。
デビュー当時は、恥ずかしさもあり、中々顔を作る事が出来なかった。
何度も何度も鏡の前で練習したことか。
「いいね〜。いいね〜」
テンションアゲアゲな男性カメラマン。
対象者のテンションを上げるのがカメラマンの仕事で、俺もそのテンションに何度助けられたか。
ソファーに真っ赤な薔薇の花びらを散りばめ、さらにメンバー同士の密着。お互いのシャツをはだけさせ合うというこの状況。
雑誌で“メンバーのこれが見たい!”、という読者アンケートのコーナーで、ファンの子たちから寄せられたものの中で一番多かったワードが “メンバー同士の絡み”だったそうだ。
はだけさせるというのが果たしてそれに該当するのかはわからないが、編集者たちが満足げな顔を見せている。
5人でのカットがスムーズに進み、個人撮影に移る。セットに目をやると、ベッドが1台置いてあった。
よりエロティックさを出すために、霧吹きで髪の毛とシャツを濡らされた。
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