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第17話 番宣①
不意の告白から1週間が過ぎた。
あの日から、永人の言葉が頭から離れずにいる。
そして、いま俺は人として最低なことをしている。
どう接していいのはわからず、碌に話もしていない。
距離を取ってしまっていることに、自分でわかってはいるものの、なにを話せばいい。
でも、ずっとこのままっていうのはダメだと頭ではわかっていた。
告白のことも話さなければならない。
とにかく話さなければ!
勇気を出してくれた永人の気持ちを、踏み躙っていることは自分でもよくわかっている。
自分自身、整理が付いていないから話をしたところで、余計永人を傷つけてしまうんじゃないかと思ってしまう。
男から、告白を受ける事なんて、今までの人生で一度も考えた事がなかったし、これから先の人生、自分には無縁な事だと思っていた。
「ごめん、すぐには応えられない。少し、時間をくれないか?」
そう言ってしまったが、変な期待をさせてしまってはいないだろうか。
その場で、気持ちには応えられないと、返事をしても良かった。
それができなかったのは、メンバーだったからだ。普通の友達とは違う。
何をするにも一緒。
長い時間、共に過ごしてきた仲間であり、家族のような存在。
それだけに、そう簡単には、無理だと言えない。
「どうしたの? ボーッとして」
車のバックミラー越しに、桜田マネージャーが心配そうに見ていた。
「少し顔色が悪そうだけど、大丈夫? 着くまで寝ててもいいわよ」
「あ、いや。すみません、少し考え事してて……」
大丈夫です、と言い現場に着くまで少し目を瞑ることにした。
ボーッとしていても、仕方ない。
変な期待は、何の優しさでもない。
自分の気持ちは、告白された時から決まっている。
俺は、異性が好きだし、もちろん恋愛対象は女性だ。
そもそもいままで俺自身、同性に恋愛感情を抱いたことなどない。
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