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第26話 純斗と初めて会った日のこと②

 「話しかけて気にかけてくれたことが、すごく嬉しかった。でも、そのことで好きになったんじゃないんだ。“SOLEIL”というグループが誕生した。正直嬉しかった。まだまだ新人なのに、純斗と音弥、そしてレオンと一輝と同じグループに入れるなんて。みんな早くデビューできるように、一生懸命ダンスや歌のレッスンに育んだ。一番最後に入所した俺は、みんなに置いて行かれないために必死だった。ただ、必死になりすぎて周りに合わせることが出来なかった。自分のことで、いっぱいいっぱいになっていた。そのことで、みんながイライラしていることは薄々気づいていた」  それも覚えていた。全然、周りが見れていない。 SOLEIL結成後、3ヶ月でデビューという嬉しくも、プレッシャーがみんなにのしかかっていた。 当初、まだ10代の俺らは必死だった。 だから、1人でやっているのではない、5人全員が息を合わせないと、3ヶ月後にデビューなんてできない。 異例のスピードでデビューさせて注目を集める、というのが事務所の方針だった。 成功するも、失敗するも “賭け”だったと後に木村さんから聞いた。  「でも、絶対に成功するって思ってたけどな!」  そう言って、木村さんが嬉しそうに笑ってくれたあの笑顔が、いまも忘れられない。 桜田マネージャーからも、社長にデビューさせてくれと木村さんが何度も頭を下げていたんだと、これも後に聞いた話だ。  永人に“5人で1つ”なんだとわかってほしかった。

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