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第42話 クリスマスデート①
“もうすぐ着くよ”と赤信号を待っている車に中で永人にメッセージを送った。
海までドライブがしたい、と永人から連絡があり、俺はいま永人のマンションまで車を走らせている。
着いた、と永人に連絡するとすぐに出て、助手席に座った。
「車の中、綺麗だね」
永人が見渡わたしながら言った。
ミラーに吊るしていた芳香剤に鼻を近づけ、いい匂い、と笑みを浮かべた。
「人を乗せるんだもん、綺麗にしてますよ。それより、きょう晴れてよかったな。まぁ寒いけど」
「でも晴れてるから、綺麗な夕焼けも見れるんじゃない!」
連日お互い夜まで仕事だったため、集まるのはちょっと遅い14時からにしていた。
千葉にある九十九里まで大体車で1時間半。
夕暮れが見える16時前後に到着するだろう。
純斗さ、と永人が口を開いた。
「レコーディングどうだった? 初アルバムだったしユニット曲もあったから、俺張り切りすぎちゃって。まさかの収録中、声が裏返っちゃうっていうハプニングがあったんだ」
笑いながら言いつつも、楽しかったな、と言う顔が、本当に楽しかったのだと、こっちまで笑みが溢れた。
「俺も楽しかったよ。初アルバムっていう興奮感。ユニット曲なんて、音弥と歌合わせする約束してたのに、俺寝ちゃって。しかも、魘されて起きたの見られちゃって、超恥ずかったわ!」
思い出し笑いをしながら永人の方を見ると、窓の外を眺めていた。
「永人?」
振り向いた顔は、一昨日に見た顔と同じだった。
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