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第45話 クリスマスデート④
「もう、ロマンチックな雰囲気が台無し」
ごめん、と言うと、俺を好きになってくれてありがとうってこと、と永人が俺の肩に頭を乗せた。
「俺が、告白した日の事覚えている? 受け止めてくれた時、本当に嬉しかった。純斗を好きになれて良かったって心の底で思ったんだ」
冬って人恋しくなるって本当だね、と俺に抱きついた。
「あったかい」
俺の胸に顔を埋め、暖をとっている。
「寒いんなら、車の中に入ろう?」
「やだ、もうちょっと。この寒空の下で好きな人にくっついていたい。ダメ?」
上目遣いで言われると、NOとは言いづらい。
「なぁ、永人……」
俺の問いに顔を上げた。
そのままじっと見つめていると、永人は恥ずかしさのあまり顔をそらそうとしたが、すかさず名前を呼んだ。
何、と言うだけでなかなかこっちを向かない。
今度は、下を向かせないように顎を指で持ち上げた。
永人の顔がみるみるうちに赤くなっていくのがわかる。
潤んだ瞳が、俺の理性を崩壊させる。
いつの間にか、俺は永人を本当に好きになっていた。
「キスしていい?」
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