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第5話 ※無理やり、スパンキング

「ぐッ……っぷは、人に散々言っておきながらなに立派にガチガチにしてんだよ……。でも……これで入る、か……?」 「うーん……たぶん……俺、誠二の言う通り童貞だからわかんねぇんだけど、経験豊富そうな誠二的にはどうなの?」 「……入るとは、思う」 「あっそ。じゃあ早く終わらせようか」 「……俺にばっかり無茶振りしてんじゃねーよ、クソが……」  いよいよ誠二が犯される番となった。あの電流拷問にはかなり堪えているようで、口で言うほどは強く抵抗はしていない。  なるべく誠二の顔は見たくないので、服を全て脱がせると四つん這いにさせた。 「あ……ち、ちょっと待て。一応ラブホだったんだからローションとか……ゴムとか……」  それもそうか。だが、部屋を見渡してもそんなものは見当たらない。もちろんこんなことになろうとは想像だにしていなかったので、持っているはずもない。  諦めたのは誠二の方が早く、ローション代わりにするのか濃い唾液を分泌させてはそれを指ですくい取り、自身の尻穴に塗り込めていった。何もないよりはマシであるからか。 「はぁー……。マジで男のケツに突っ込まなきゃいけねぇのかよ」  そう思うと、せっかく勃起した逸物が萎えてきそうになる。 「うっ、うるせぇな、俺だってこんなこと、誰が望むか……。でも、やらないと、また……」 「だよなぁ。はいはい、わかってるよ」  誠二が腹を括ったなら、こちらも覚悟を決めるべきか。  いつ解放されるともわからないのだから、ここは一応、声の主の言うことを聞いた方がいい。下手に抵抗して拷問の末に殺されるなんて絶対に御免だ。復讐だって果たされないし、二人とも死ぬには若すぎる。  どうにか勃起状態を保ったままのペニスを誠二の尻穴にあてがう。そのまま体重をかけて腰を押していくと、ぬるり、と腸粘膜が妖しくペニスを受け入れていった。 「うぅっ……は、入った……?」  こんな形であれ童貞喪失……と言って良いのだろうか。この際カウントはどうでもいいが、入ったものは入ったのだ。これで挿入はOKのはずだから、あとはどうにか射精するだけだ。  刺激を得る為に試しに腰を振ってみる。初めてなのでぎこちないが、肉壁に包まれるなんとも言えない温かさは形容しがたかった。 「ぅ、く、ぁが……ッ」 「痛い? 痛いよな。でも切れてはいないみたいだし、思ったより誠二のケツマン悪くないよ」  意地悪に耳元で囁いてみる。なのに返ってきた言葉は俺を驚愕させた。 「ぁ、あ、あぁ、んあぁあっ……なんで、こんな……遥希なんかのチンポ擦れて、俺っ……クソッ……」  ──感じている? まさか。でも。  これは、苦悶の声と言うより、愉悦の声。あの誠二が、腰を揺するたびに女みたいに時折甲高い声で喘いでいる。  それに、ケツに突っ込まれたんだぞ? 相当痛いはずなのに、それにしてはなんだか余裕にも見える。アナルセックスって、こんなにスムーズに進むものか?  興味がないので全然わからないけど、女だって処女相手は痛がられて面倒くさいとか聞くし、そう考えるとこいつ、まるで相当なヤリマンみたいじゃないか。 「なあ、誠二。お前、なんでこんなに尻で感じてんの」 「っ! そ、それは……」  途端に、誠二が口ごもった。恥ずかしそうに、だが言って良いものかというような逡巡が見てとれる。 「言わないなら、やめんぞ。俺が射精できなくても良いのかよ?」  腰の動きを止めると、誠二はうぐ、と小さく声を漏らした。  ずるずると引き抜いていく。そして、また少し奥に入れては、浅いところで抽送を繰り返しながら誠二を丹念に焦らしていく。  こちらは気持ち良くはなかったが、そうしている内に、観念したのか誠二が遂に重い口を開いた。 「……中学ん時に……部活の先輩に、無理やり……」 「無理やり? なんだよそれ。その先輩とやらにホモレイプされたってこと? きっしょ。それで?」 「そ、れで……初めは嫌だったけど、何回かされる内に、変な気分になってきて……。普段も、そ、そこで……するように……」 「はぁ? それって要するに、ホモレイプで目覚めて未だにケツ穴オナニーしてるってこと? ないわ、マジでキモすぎる。こうやってチンコ入れられる妄想とかしながらしてた訳? それとも玩具とか使ってんの? なあ? こんなド変態ケツマンコ野郎の癖して、どの面下げて人を良いように使ってきたんだよ!」  そうやって誠二の尊厳を傷付けるように全否定してやると、誠二は悔しそうに唇を噛む。  しかし随所で身体をビクビクと跳ねさせるばかりだ。本当にそういった妄想をしながら己を慰めていたのかもしれない。  なるほど。だからフェラにもセックスの準備にも慣れていたし、そこまで抵抗感もなかったと。  人間、やっぱり見た目ではわからないことが多すぎる。呆れた奴だ。誠二は人の上に立って命令を下せるような人間なんかじゃない。こうして男に犯されて快感を得る、ただの変態だ。 「できるだけ声、出すなよ……! 男の喘ぎ声なんか聞いてたら、萎えちまうかも……」 「ん、んぐ、んむむむむぅ……!!」  それを聞いて誠二は片手で口を覆った。今回の条件をクリアするには誠二の協力も必要不可欠。誠二が感じようがどうしようが、射精しなければならないんだ。  なんとなく腰の振り方の要領がわかってきて、ペースを速くすることができるようになってきた。 「むぐぅううふうぅっ! ふぅ……ふはぁっ……!」  ただそうすると誠二のくぐもった喘ぎ声もデカくなるものだから、また遅くしたり。  射精を目指そうとすると「男とセックスしている」という気持ちが強くなってきて嫌になってくる。  ゲームに悪意がありすぎて均等がとれない。なのに誠二ばかり感じやがって……苛々が増していく。 「声出すなって言ってんだろうが!」  無性に腹が立って尻たぶを平手打ちする。不意打ちの攻撃に誠二が背をそらして悲鳴を上げると共に、肛肉がギュッと締まった。 「お、あ? この締め付け、良いかも……? はは、こりゃ面白いや、もっと打ってやる」 「な……。こ、声、我慢するから、やめ……」 「喋んじゃねぇってのが聞こえねぇのかよ!」  バチン、バチンと続けざまに打つ。筋肉質な尻に生々しい手のひらの痕が浮き上がっていく。そのたびに括約筋が締まる。  単に殴る蹴るよりこっちの方が効果があったなどとは不服な思いだった。  かなりうるさいけどオナホだと考えればいい。全神経を股間に集中させるんだ。 「くあぁっ! 出る、出る出る! 射精するっ! このまま……な、中で、良いのかな……?」 「な、中っ!? 中はやめてくれっ、出すなら外に……」 「はぁっ、はぁ、まあ、どっちでも良いだろうし、どうせなら奥にたっぷり出してやるからなッ!!」  腰をガッチリと掴み、獣のように腰を振りまくった。第一、射精直前に抜くなんて器用な真似はできそうにない。  本能のままに注ぎ込んでやれ! 「うおおぉぉ、イクっ、イクイクイクッ!!」 「遥希っ、は、激し、すぎるっ、ひぁ……っ! と、止め……ん、んぐぅううう……!!」  バチンッと尻たぶが重なるほど深くにまで挿入すると、ブルっと背筋を震わせ、もう完全に出ないところまで誠二の腹の中に白濁を出し切った。  息を整えてから萎えたものを抜いてみると、結合していたアナルがパクパクと開閉しつつ中出し精子が溢れてくる。  見れば、床が汚れていた。そして誠二のペニスの先っぽからも、精の残滓がポタリと垂れ落ちる。  あんな獣じみた暴力的なセックスで、誠二も射精したんだ。誠二は顔を真っ赤にして、荒い呼吸を繰り返している。  誠二の射精については条件に入っていないはずだが、まあいい。弱味を握れたことはかえって都合がいいかもしれない。 「童貞って馬鹿にしてた俺に掘られて悔しい? それとも久しぶりの本物のチンコはケツイキするほど気持ち良かったの? 格好悪いね、誠二」  もう何も考えられないようで、誠二は情事の余韻が残るままその場に崩れ落ちた。 『遥希様、誠二様、合格』  これだけやってやったんだから、妥当だな……そう思いながら、俺は一人シャワーを浴びることにした。

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