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第3話

「強引に連れて来てしまい、申し訳ありません。君が本当に可愛くて我慢出来なかったんです」 助手席に碧唯を座らせると、男性はどこかに車を走らせる。 嬉しそうに鼻歌を歌いながら車を運転する男性は、左手を碧唯の脚の上に載せ、ゆるゆると撫でてきた。 「…………」 背筋がぞくぞくして変な感じがしたけれけど、拒む事も出来ずその長い指を見つめる碧唯。 「今日から君は僕の可愛いペット、子豚ちゃんです」 「え……?」 その言葉に驚いた碧唯は、思わず男性の方を見てしまう。 そこには、先程見せた目だけ笑っているように見える、男性の端正な顔があった。 ー怖い。 碧唯はそれに恐怖を感じた。 「そんな顔しなくても大丈夫ですよ。僕は君の飼い主ですから、これからずーっと大切に可愛がってあげます……」 ショッピングモールの広い駐車場の人目につかないところに車を停めると、男性は碧唯の額にキスをする。 「さぁ、お買い物に行きますよ。僕の手を離さないで下さいね」 「は……はい……」 ヒヤリとしたその冷たい手を、碧唯は震えながら握った。

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