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第5話
アイスクリームで元気になった碧唯は下着を数枚買ってもらった後、威に連れられてペットショップに来ていた。
「うーん、やっぱり赤かな」
可愛い犬や猫をスルーし、威は首輪が置いてあるコーナーを物色している。
「うん、これにしましょう。サイズはどうでしょうか……」
「…………!!!」
人がいるのに堂々とその首輪を碧唯に試す威。
周りからはヒソヒソと話す様子が見えた。
(やっぱりこの人おかしい。ボクの事、本気でペット扱いするつもりなんだ)
と思っても、碧唯は抵抗する術を知らなかった。
碧唯にちょうど良いサイズの赤い首輪を購入した威は、車内に戻ると上機嫌で碧唯の首にそれをつける。
「うんうん、よく似合っていますよ」
「…………」
笑顔で頭を撫でられ、抱き締められる碧唯。
(どうしてこの人はこんなにもボクなんかの事で喜べるんだろう……)
母親にもほとんど抱き締められた記憶がなく、頭を撫でられたのも遠い昔だった碧唯にとって、威の言動は全く理解不能だった。
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