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第7話

「おー、とうとう連れて来たか」 そこに、また別の男性が現れる。 一機と同じ位の背丈ではあるものの、細身の一機に比べると横幅のある、がっしりとした体つきをしたスキンヘッドの人物だった。 「トウヤ!仕事終わったの?」 「ん、まーね。さっき先方にデータ送っといた」 一機のその男性に向ける目が自分に向けるものより優しいような気が、碧唯にはした。 「見て!豚にタケルが好きそうな服着せてみたんだけど」 「豚って……いくらタケルが言ってたからってそのまま呼ぶのは……」 「いいじゃない、豚なんだから」 「うーん……」 仲睦まじい、という様子のふたりを碧唯はいじめられたらどうしよう、と不安に思いながら見ていた。 「あっ、ごめんね。君の事ほったらかしにしてて。俺、淵上十哉(ふちがみとうや)、グラフィックデザイナーやっててタケルとカズキとは専門学校時代からの付き合いでさ。3人でTEAM_tktっていう会社を立ち上げて活動してるんだ。よろしくね」 「よ……よろしくお願いします……」 爽やかな笑顔で大きな手を差し出してくる十哉に応えると、碧唯は威や一機よりはまともそうな人だという印象を抱いた。 「いきなり連れて来られてびっくりしたでしょ?タケルがね、前々から君の噂が本当かどうかを気にしてて、城音寺メイの撮影を頼まれた時に絶対確かめるって張り切ってたんだよね」 「はぁ……」 (どうして会ったこともない、いるのかも分からないボクのためにそこまで……) 自分にとっては突然の事だったけれど、威的には前々から考えていた事だったという事を知り、碧唯はそれが理解出来なかった。

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