12 / 60

第12話

「ただいまー」 ドライヤーで髪の毛を乾かしてもらっていると、リビングに一機と十哉が戻って来る。 「タケル、豚の髪、切ったりしたらダメなの?多すぎるし黒いから見ていて暑苦しいんだけど」 「黒のロングヘアのままにしてくれてたら良いですよ。カズキ様のセンス、信じていますから」 碧唯の髪を触る一機に、威は笑顔でこう返す。 「ありがと、タケル。ねぇ、ワタシさっきジムで走りながら閃いたんだけど……」 そう言って、一機は威に耳打ちした。 「それは……面白そうですね」 「明日って何時から暇?夜?」 「えぇ、明日は夕方まで仕事です」 「ワタシも夜なら大丈夫。じゃあ明日の夜に決行ね」 「??」 碧唯を見て笑みを浮かべるふたり。 その笑顔の裏に絶対何かあると碧唯は悟っていた。

ともだちにシェアしよう!