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第12話
「ただいまー」
ドライヤーで髪の毛を乾かしてもらっていると、リビングに一機と十哉が戻って来る。
「タケル、豚の髪、切ったりしたらダメなの?多すぎるし黒いから見ていて暑苦しいんだけど」
「黒のロングヘアのままにしてくれてたら良いですよ。カズキ様のセンス、信じていますから」
碧唯の髪を触る一機に、威は笑顔でこう返す。
「ありがと、タケル。ねぇ、ワタシさっきジムで走りながら閃いたんだけど……」
そう言って、一機は威に耳打ちした。
「それは……面白そうですね」
「明日って何時から暇?夜?」
「えぇ、明日は夕方まで仕事です」
「ワタシも夜なら大丈夫。じゃあ明日の夜に決行ね」
「??」
碧唯を見て笑みを浮かべるふたり。
その笑顔の裏に絶対何かあると碧唯は悟っていた。
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