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第14話
車に乗り込む威を見送ってリビングに戻って来ると、一機と十哉が朝食を食べていた。
「おはよう、子ブタくん!」
「お、おはようございます……」
「豚、食べ終わったら髪の毛切ってあげるからここにいなさい」
「は……はい……」
爽やかに挨拶してくれる十哉に対し、一機の言い方は今日も怖いと感じた碧唯。
しばらく待っているとふたりは食事を終え、碧唯を3階の部屋に連れていった。
昨日とは違う、美容室のような作りの部屋。
「黙って座ってなさい」
「はい……」
椅子に座らされ、一機に首輪の上からケープを巻かれる。
それから一機が伸ばしっぱなしだった碧唯の髪を、美容師さながらの手さばきで切っていった。
「うん、これでいいんじゃない?軽くなったでしょ?」
「わぁ……!!」
(さっぱりした……けど、この髪型……女の子みたい……)
ぱっつんシースルーバングの前髪にレイヤーの入った髪型。
母親そっくりの顔立ちも手伝って、碧唯は変な気持ちになった。
「子ブタくん、さっぱりしていい感じだね」
床に落ちた髪の毛を片付けながら、十哉が笑顔で言ってくれる。
「はい、すごくさっぱりしました。カズキさん、ありがとうございます!」
「どういたしまして。アンタにはこのワタシと一緒に暮らすのだから、最低限の美しさは持ってて貰わないと困るわ」
「は……はぁ……」
勇気を出して話してみたら、一機が少しだけ優しく笑ってくれたような気がした。
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