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第21話
目が覚めた時、威の姿は既になく、着替えと思われる黒いTシャツワンピースと透けている白いTバックの下着が置いてあった。
(今日はコレなんだ……)
着替えてリビングに行ってみるが、そこには誰の姿もなく、ダイニングテーブルに昨日借りたタブレットが置いてあった。
『僕の可愛い子豚ちゃんへ。ぐっすり眠っている様だったので声を掛けずに仕事に行きました。夜には帰って来ますので、冷蔵庫の中にあるものを食べて良い子で待っていて下さい。そうそう、新しい下着をつけている子豚ちゃんの姿が見たいので、このタブレットで撮影してここに貼り付けて下さいね』
威がスマホから送ったらしいメッセージ。
途中までは普通なのに、最後になると途端にとんでもない無茶ぶりが書かれてあった。
(……上手く撮れるかな……)
カメラマンの威に素人の自分が喜んでもらえる写真を撮れるなんて全く思えなかった。
けれど、言う通りにしなければいけない事になっている以上、やるしかない。
「…………」
衣装が置いてある部屋に姿見がある事を思い出した碧唯は、タブレットを持つとその部屋で撮影する事にした。
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