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第22話
3階に降りると、その時点でどこからかは分からないが一機と思われる嬌声が聞こえてくる。
「や……っ、豚に見られちゃう……っ!!」
「うるせぇな。オマエ、人に見られるの大好きだからホントは子ブタくんに見られたいんだろ?」
自分の足音でここにいる事を知られている。
碧唯はどうする事も出来ず、その場から動けなくなっていた。
(ど……どうしよう……。っていうかカズキさんとトウヤさん、いつもと全然違う……)
「ダ…ダメっ、開けないで……っ!!」
「ココめちゃくちゃ締めつけてきてるのによく言うよ」
「いゃ……あぁっ……!!」
碧唯の視界に、一機を抱きながらドアを開ける十哉の姿が現れる。
全裸のふたりに、碧唯は腰を抜かしてその場に座り込んでしまっていた。
「おっはよー、子ブタくん。悪いんだけど、この変態オス犬が人に見られてオカされるの大好きだからさ、ちょっと見ててくんない?」
「あ……っ、トウヤ、ソコらめぇ……っ……!!」
十哉は一機を降ろすと、碧唯に見せつけるように行為を続行する。
碧唯から見て横向きになり、バック体勢になっているふたり。
身体がぶつかり合う音と共に聞こえる水音。
普段から一変してしおらしく恍惚の表情を浮かべる一機は、碧唯が今までに見たどんなAV女優よりも艶めかしく、美しかった。
「オラ……っ、子ブタくんの前でイけよっ……!」
「やぁあぁぁぁっ、イクっ、イッちゃう……っ……!!」
ふたりの動きが止まったと思ったら、床にぽたぽたと白い液体が落ちる。
「はぁ……っ、はぁ……っ……」
一機の白い肌が薄らと赤らみ、汗がきらきらと輝いて見えた。
「おい、オス犬、まさか床にセーシ零してそのままにしとく訳ねぇよな?」
「はぁ……っ、……ちゃんとキレイにします……」
そう言って、一機は荒い呼吸のまま、床に零れた自分の精を舐めとっていく。
(うわぁ……っ……)
自分には目もくれず、床に這いつくばっている一機。
それでもその美しさは失われる事がなかった。
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