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第33話

4階に降りると、そこには十哉がひとり朝食をとっていた。 「おーっす!!」 「おはようございます」 「おはよう。カズキはもう仕事ですか?」 「あぁ、さっき迎えが来て行ったよ。プロデュースする事になったアイメイクの新作の打ち合わせとか言ってたような。アイツの要望に応えてやってんの、スゲーよな」 「カズキがその製品を良いものと判断して紹介すれば確実に売上に繋がりますからね。各社の企業努力は素晴らしいと思います」 先に作ってもらったサラダを食べながら、碧唯はふたりの話を聞き流していた。 「さーてと、俺も仕事すっかな。ミュージックビデオの加工頼まれてんだ」 「頑張ってくださいね」 「おう!んじゃ、部屋に籠ってるから子ブタくんの画像出来たら教えて」 「分かりました」 「子ブタくん、撮影頑張れよ」 「は…はいっ」 終始爽やかな十哉。 それから碧唯は待ちに待っていた威のフレンチトーストを心ゆくまで堪能し、幸せいっぱいな気持ちになっていた。

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