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第47話
「子豚ちゃん、もう少し目線上げてみて下さい」
「は、はいっ」
ほぼ1日中、水着での撮影。
日焼けをしないよう、日差しの強い時間を避けたり、木陰で撮影したり。
碧唯はただ撮影しているだけではない事を知る事が出来た。
「あー、豚って日焼け残らないけど赤くなるタイプなのね。残りの撮影、上にパーカー羽織って撮った方が良さそう」
「てか、子ブタくん演技上手くなったよ。この顔とかめっちゃエロいし」
「あ…ありがとうございます……」
休憩中、パソコンで撮影した画像を全員で確認する。
十哉が褒めてくれた画像は、威に、
『僕のを咥えながら僕を見ていると思ってカメラを見て下さい』
と密かに言われて撮影したものだった。
威からもちゃんと出来て偉いと褒めてもらえたけれど、碧唯はそのご褒美が欲しくて仕方なくなってしまっていた。
(どうしよう……我慢しなきゃ……でも……)
お仕事は飛行機の中でしたっきり。
それも碧唯を情欲へと掻き立てる。
「……子豚ちゃん、具合が悪そうですね。次の撮影は夕暮れ以降ですから、それまで身体を休めましょうか」
「あっ、は、はいっ」
碧唯の後ろに立っていた威が頭を撫でながら声をかけてくる。
「……ふーん、そういうコトか。子ブタくんもタケルのペットなだけあってなかなかやるね。んじゃ、オレたちも……」
「やっ、トウヤ……っ……!!」
威の傍に向かった瞬間、十哉が一機を抱き上げると近くのベッドに押し倒し、激しいキスをする。
「……!!!!」
ちゅ、ちゅ、という艶めかしい音と共に漏れるふたりのいやらしい呼吸に、碧唯は身体が熱くなっていくのを感じた。
「子豚ちゃん、行きましょう」
「は……っ、はいっ……」
身体に上手く力が入らない。
碧唯はふわふわした足取りで、威に肩を抱かれて歩いていた。
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