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第50話

一機が目を覚ましたところで夕方、そして夜の撮影をして1日目の撮影の日程は終了した。 外食をした後、4人で翌日以降の食料品を買って帰宅する。 その時に一機が撮った画像を十哉が加工し、一機のブログに載せる事になった。 『aoiちゃんの撮影、みんなで楽しくやってるよ〜!!』 4人で乾杯している画像の他、それぞれとツーショットで撮影した画像も載せると、インターネット上ですぐに話題になる。 『aoiちゃん、いい笑顔してる』 『カズキさんとは違う美人』 寄せられるコメントは皆、aoiの事を褒めてくれているものばかりだった。 『タケルさんとaoiちゃん、すごくお似合い!!』 『美男美女カップル!!』 そんな中、威とのツーショット画像にこんなコメントがあり、碧唯は嬉しい気持ちになっていた。 「やっぱ出ちゃってるわよね〜、普通にしててもラブラブな感じが」 並んで写しただけのふたりの画像を見て、一機がため息をつく。 「ワタシと十哉はもう公に知られてるからいいけど、アンタたちはまだ知られちゃいけないでしょ」 「そうですね。今のところ僕たちの関係に気づいている、という状態ではなさそうですが、気をつけなければいけませんね」 (知られちゃいけないんだ……) 嬉しいと思ってしまうのもダメなのかと碧唯は思い、悲しい気持ちになってしまう。 「子ブタくん、カメラマンとモデルが結婚するなんてよくある話だからゆくゆくはバレて全然問題ないんだけど、今はデビューしたてだからね。って言ってもこんくらいの写真だけで話に尾ヒレがつくとは思えないけど」 「そうです。子豚ちゃんが心配する事はありません。ただそういう事があるという事だけ覚えておいて下さい」 「は……はい……」 碧唯の表情から、威と十哉が声をかけてくれる。 (いつか……ご主人様とボクが結婚した事になる日が来たらいいのにな……) 安心した碧唯は、威から貰った指輪を見ながらそんな事を思った。

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