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第52話
「今日は別のホテルに泊まりましょう。あそこではふたりでゆっくり……という訳にはいきませんから」
水族館の見学を終え、昼食を済ませると、威は笑顔でこう言った。
「あ……じゃあ一度あそこに戻りたいです。化粧品、ちゃんと使わないとカズキさんに怒られちゃうので」
「ふふっ、子豚ちゃんは僕だけでなくカズキの言うこともしっかり守るんですね」
そう話す威の手が碧唯の頬に触れ、むにゅっと優しく摘む。
「その結果がこの肌……ずっと触っていたくなります……」
「…………」
そのままむにむにと弄られて、碧唯は嬉しさと恥ずかしさを感じていた。
「子豚ちゃん、こちらに来てまた美味しそうな身体になってくれて、僕はとても嬉しいです」
「そ……そんな……」
日本のお菓子よりハイカロリーなお菓子を間食としてちょこちょこ食べていた碧唯は、その身体をほんの少しだけ大きくしてしまっていた。
「頬っぺたがこんなに柔らかくて弾力があるなら、他の場所はどれだけ良い感触になっているのか、考えただけで興奮してしまいます……」
店を出る直前、威に色っぽい目線を送られながら言われた碧唯は、身体が熱くなっていくのを感じていた。
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