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第56話

その後、目を覚ました碧唯は威に導かれてお風呂に入っていた。 「子豚ちゃん、とっても可愛かったですよ。ますます君の事、離したくなくなりました」 「ご主人様……」 いつもの優しい微笑み。 背後から抱き締められていた碧唯は、その顔を見て嬉しい気持ちで胸がいっぱいになる。 「ボクも、ボクも嬉しかったです。最初は痛かったけど、でも、あなたがボクの名前をいっぱい呼んでくれて、ボクなんかの身体を愛してくれて、すごく幸せです」 「……これからは毎日愛してあげますよ。明日からは僕と愛し合うのが君の新しいお仕事です……」 「は……はいっ、ありがとうございます!!」 お風呂から出ると、ふたりは食事を挟んだ後、再び愛し合って一夜を過ごした。 「へー、とうとうヤッたんだ。おめでとう、タケル、子ブタくん。これでいつでも4人で出来るな」 「ちょっ、ちょっとトウヤ、それ本気なの?」 「ったりめーだ!!オマエだってそうしたくてうずうずしてただろ?カズキ」 「そ……それは……っ……」 翌日。 昼過ぎに帰ってきた一機と十哉に威が碧唯と結ばれた話をすると、ふたりはそんな話をしながら碧唯たちの前でイチャイチャし始める。 「ふたりとも、気が早いですよ。4人は帰国してからではいけませんか?」 「しょーがねーなー、じゃ、お前らしなくていいから俺らがヤッてるトコ見ててくれよ」 「え……っ……」 「ま、待ってよ、トウヤ」 「うるせぇ、オス犬のクセにオレに口答えすんじゃねぇ!!」 「きゃっ!!」 「!!!」 一機の髪を引っ張ると、十哉は近くのソファに一機の身体を押し倒し、馬乗りになる。 「や……んん……ッ、トウヤ……っ、んぁぁ……ッ……!!」 嫌がっていた一機が、十哉の舌の動きに応えるばかりか十哉に抱きついてその華奢な腰をくねらせているのが見えた。 (ど、どうしよう……このままふたりのH、見てなきゃいけないのかな……) ふたりの漏らす吐息にドキドキしながら、碧唯は隣に立っていた威の方を見る。 「子豚ちゃん、黙って良い子で見ていられそうですか?」 「ひゃ……っ、ご主人様、どうして……っ……」 威は目が合うとにっこりと微笑み、碧唯の首筋をきつく吸ってきた。 「答えて下さい。僕がこうして触れても君は黙って良い子で見ていられそうですか?」 「あっ、あぁっ、む、無理ですっ。ご主人様に触れられて黙ってる事なんて出来ないです……っ……」 首筋の違う部分を同じように吸われ、碧唯は声を震わせながらそう応える。 「そうですか。それは困りましたね。トウヤには見ているように言われてしまいましたので、それを守らないとトウヤが君にナニをするか分かりません……」 「じゃ…じゃあ黙って見ているのは……」 「黙って……?可愛い君が隣にいて、あのふたりのセックスから僕に抱かれる姿を想像してまた下着を濡らしてしまうかもしれない君の姿をただ黙って見ているなんて、僕には出来ません……」 「ご主人様……??」 (ど、どうしちゃったんだろう、ご主人様。今までと何かが違う気がする……) 見た事のない表情を浮かべながら話す威に、碧唯は驚きを隠せなかった。 「仕方ありません。帰国まで君の淫らで可愛い姿をふたりに見せたくはありませんでしたが……」 「え……っんん……ッ!!」 首輪を引っ張られると、威が碧唯を抱き締めながら唇を重ねてくる。 啄むようなキスの後、唇を甘噛みされて舌を絡め合うと、碧唯はその気持ち良さに何も考えられなくなっていった。 「おっ、タケル。そうこなくちゃな」 「トウヤ、この代償、帰国したら払って頂きますよ?」 「はいはい、帰ったら1ヶ月はメシと掃除は俺がやりまーす!!タケル、ここじゃなんだから部屋行ってヤろうぜ」 「分かりました。子豚ちゃん、行きましょう」 「ふぇ……っ……」 威に肩を抱かれ、碧唯は半ば引き摺られて寝室に向かっていた。

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