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正義の味方 1

 そのレイブ野郎は目が覚めたら椅子に縛られていたのがわかったわけだ。 僕はご機嫌だ。  その野郎が、酷く驚いた顔しているのが楽しかった。  まあ、いつもの手口で攫ってきた。  ゆっくり車で近づき、一瞬で車に連れ込む。  いや、もう。  ガキがこれがホントに上手くなってて、背後から薬嗅がせて車に連れ込むタイミングはまあ、今まで一緒に仕事したきた奴の中では一番だった。   ガキはいい悪党になる才能がある。  ガキは僕の可愛い恋人だ。  いや、僕専用の可愛い「穴」の筈だったんたが、何故だかそういうことになった。  恋人だろ、と迫られたらそうするしかなかった。  なかった。  なかったんだ。  ・・・可愛いから。  まだ16才のガキに手を出してしまったことや、「穴」として手に入れたはずのガキに「穴」を狙われている話はとにかく後でする。  今からは僕のお楽しみの時間なのだ。  週に一度のお楽しみ。  悪党殺しの始まりだ。  だって僕は正義の味方だからな。  「・・・お前何者だ!!」  レイプ野郎は僕を見て怒鳴った。  「正義の味方だ」  一応言ってみた。  部屋の隅でガキがため息をつく。  まあ、いい。  元気がいいのは好きだ。  それに、このレイプ野郎は意外といい男だった  年齢は35位だが、整った顔をしていたし、腹も出てない。  垂れた目尻は甘いとも言えないこともない。  好みとは少し違うが、いい男をいたぶるのは僕の趣味だ。  日サロで焼いた身体はきっと、お尻まで綺麗に灼けてるはずだ。  裸に剥かないのは・・・残念だが、仕方ない。  恋人の前だからな。  僕にだって遠慮はある。  あるんだよ。  ・・・少しは。  残念。  残念。  たけどまず、楽しむまえにすることはあった。  「ゲーム」だ。  助かるチャンスを与えるゲームだ。  「あんたはこれから僕に殺される。それはそれは酷い方法で」  僕は部屋を見るように男に手を回して促した。  僕の自慢の拷問部屋だ。  たまに使ってる。  拘束椅子、ペンチ、ナイフ、ノコギリなどがこれよがしに置いてあった。  「誰の差し金だ!!」  レイプ野郎は喚いた。  「殺される理由を尋ねないところがいいね。本物の悪者って感じで」  僕は感心しながら言った。  「何故」ではなく「誰」ってのがね。  コイツは「レイプ」を支配の道具として使ってきた。  被害者が言い出せなくなるからこその、殺人や傷害よりは捕まりにくいからこその暴力としての支配の「レイプ」。  自分の娘や身内にそれが行われること、もしくは、また再びそれを行われることに怯え、男達はいいなりになり、女達もまたその恐怖から言いなりになった。  写真や動画を撮ることでコイツは被害者や被害者の身内を支配した。  そしてそれは金に変わった。  レイプは始まりにすぎず、コイツはそれで沢山の人間達を貪ってきたのだ。  直接的に殺してこそいないが、コイツのせいで死んだ人間や、人生をめちくちゃにされた人間は数知れない。  ぞくぞくした。  こういう人間をめちくちゃにするのが僕は大好きだからだ。  普通の人間をめちくちゃにしても面白くないし。 飽きた。  前までなら、嬲り殺しにして、死体を犯した、でも犯すのはもうしない。  それは「穴」ではなく「恋人」がいるからだ。   それに、僕にはセックスよりも、むしろ・・・ころすことの方にこそ快楽があったりするのだ。    「・・・死にたくないとか思う?」  僕は訪ねる。  椅子の横机の上に並べられた道具、その中のペンチを取って見せつけながら。    椅子に縛り付けられた手の指をそっと挟んでやる。  今は優しく。  甘噛みするようにペンチで指を挟みこむ。  レイプ野郎は震えた。  悪党は好き。  自分か酷いことをするからこそ、こっちの本気もわかってくれて、話が早いから。  「助けてくれ・・・」  ソイツは震えた。  いいねぇ。  自分かそう言われた時には、止めてやらなかったくせにそれを言える面の皮の厚さが。  好きだね。  ホント。

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