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正義の味方 3
「弾がでなかったらお前僕に取り押さえられて、拷問されるんだぞ。それに弾が出て僕を殺せたところで、こちらには仲間がいるし、お前は椅子に縛られてるから結局殺されるんだぞ」
僕は楽しくなりながら聞いた。
やはり、悪者って好きだ。
往生際が悪いからね。
「それでも、お前が殺せる可能性があるならそれでいい!!お前だけは殺す!!」
レイプ野郎は僕に銃口をむけながら叫んだ。
僕を殺したい気持ちが溢れるばかりなのだ。
50%の確率があるならそれに賭けるって。
弾が出なければ、撃鉄を起こしまた引き金を引く前に僕はコイツを取り押さえることは簡単で、それをコイツもわかっているのに。
悪者って最高。
生きてる限り、人を傷つけられる可能性があるかぎりそれに賭けるってわけか。
いいねぇ。
僕は笑顔で撃たれるのを待った。
レイプ野郎は、全ての可能性をここに賭けていた。
僕を殺す為に、その一瞬に全てを賭けていた。
安らかな死さえ捨てて、僕への復讐に全てを賭けるその姿は例え鼻水と小便を垂れ流してはいても、感動的でさえあった。
その目には強い意志が煌めいていた。
そうそう、僕はこういうのを見たかったのだ。
カチリ
でも弾は出なかった。
僕は素早く銃を取り上げた。
「あ・・・」
レイプ野郎は間抜けな声を出し、涎を垂れ流して、呆けた。
全ての望みが絶たれたため、一瞬でくしゃっと潰れた紙くずみたいだった。
でも、まだ足りない。
僕は笑ってその銃をソイツに向けた。
撃鉄を起こし、シリンダーを回す。
さあ最後だ。
可能性は一分の一。
ソイツは観念したように、でもホッとしたように目を閉じた。
僕は引き金を引いた。
カチリ
ただ音がしただけだった。
ソイツが驚いたように目をぱちくりさせたのが可愛かった。
「最初から弾なんて入ってないんだよ、入れたふりをしただけだ」
僕は笑った。
面白かった。
面白かった。
こんなに面白いものはなかった。
本当の銃弾が入っていると思ってあそこまで必死になって。
僕は大笑いした。
涙に、変な声に、小便に、映画ばりの決めゼリフ。
最高だった。
「殺す殺す殺す殺す!!!!!」
からかわれた屈辱にレイプ野郎が泣き叫ぶのがまた楽しかった。
「まあ、そう怒るな。・・・ゆっくり楽しもうよ、ね」
僕は優しく微笑んだ。
やっぱり、ペンチからかな。
僕はペンチを握る。
それを見た瞬間、レイプ野郎は怒りを忘れた。
許してくれと哀願した。
まあ、そうでしょ。
これからはもっと叫ぶだろうね。
痛みと恐怖で。
僕は楽しい。
でも、コイツは理解してくれると思う。
コイツだって、悲鳴を楽しんだわけだろ?
なら、僕が楽しむことだって当然理解できるよね。
僕は爪にペンチを当てた。
剥がすのはとても、簡単だった。
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