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嘘つき 2
「ありがとう・・・ありがとう」
オレは泣きながら優しいコイツに言った。
アイツは苦しげな顔をしていた。
まるでいたみつけりたのが自分かのような。
お前がそんな顔をするな。
少し年上の大事な友達だったコイツを失うことになると分かっていても。
オレはコイツが欲しかったんだ。
「これで、諦められる」
オレは言った。
青い言葉がボロボロと口から飛び出し、宙に溶けていく。
諦めなど。
できはしない。
オレから自分を引き抜き、途方にくれ、困った顔しているアイツにオレは振り返り笑った。
身体中が軋み、特にケツの穴は酷い有り様だった。
「大丈夫・・・明日からはちゃんといつも通りだから」
青い言葉。
青い言葉。
嘘。
嘘。
オレには嘘が青く見える。
オレは嘘をついた。
そこから先ずっと。
オレはソイツに嘘をつきつづけた。
アイツと会う度、オレの口から青い言葉は零れる続けた。
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