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捕食者狩り 一刀両断 13

 「不死身ってのはいい。僕が納得するまで死なないってことだからね」  男は楽しそうに言った。  胸がわるくなる光景なので、私は双眼鏡ではもう確認していない。  ただ、男につけたマイクから、少女が押し殺す苦痛の呻き声が聞こえるのはどうしようもなかった。  「声を我慢するのはあそこにいる恋人を苦しめないためか?」  男が優しく言う。  そう言いながら、何かを少女の中からつかみ出す音と、少女が耐えられず声をもらすのが聞こえる。  男は人の内臓をつかみ出すのが大好きなのだ。  少女は目から頭を刀で串刺しにされ、地面に縫い止められていた。  男がズボンの膝下に隠し持っていたナイフで目から地面まで刺したのだ。  手や脚も、男の投げナイフで串刺しにされ地面に昆虫標本のように止められていた。  胸から股関まで魚を開くように切り開かれているのは、ここからでもわかる。    内臓が動いているのが見えた。  男のナイフは少女の性器まで綺麗に切り開いていた。  そこの内部がどうなっているのか、見ることさえ出来、男はそれを楽しんでいた。  最悪だ。  あの男は最悪だ。  吐きそうだ。  女がひどい目にあう恋人を見て、泣き叫ぶ声が聞こえた。  少女を殺すことには異論はない。  殺された人達の遺族から見れば男のすることは拍手喝采だろう。  だが、男はこの残虐行為を楽しみだけでやっていた。  復讐も正義の執行でもない。  単なる快楽の手段として。    男は笑いながら内臓を掴みだしていた。    少女は声をかみ殺す。  声のかわりに血を口から吐き出す。    男は笑う。  笑う。  あの笑い声を止めてくれ。  私はさすがに顔をしかめる。     だが私には止める権限などない。    あの男は許されている。   ああすることを許されている。  その権限を国から与えられている。  それを私が止めることなどできない。  男が少女の乳房を切り落としたところからはもう見るのは止めた。  始まってまだ数分でこれだ。  少女はしなない。  この残酷ショーはどこまで続くのだろうか。  目を閉じた私の耳に男の怒声が聞こえた。  「なんてことしてくれたんだ!!」    私は目を開けた。  少年が立っていた。  左手に少女の首をもって。  右手に少女の目から地面に頭を縫い止めていた刀をもって。  少年が少女の首を切り落としたのは明白だった。    「もう、十分だろ」  少年は男に言った。    痛ましげに手にした少女の首に目をやりながら。  少年は身体が動くようになるとすぐ、少女を殺してやるために走ったのだろう。  苦しみから救うために。  「ふざけるなよ、ガキ」  男はお楽しみを止められて、怒っていた。  これ以上ないくらいにおこっていた。  例え少年でも許さないくらい怒っていた。  「なんだ、ガキ。助けてやったつもりか?可哀想だったか?コイツらが女の姿をしているからか?・・・とんだ偽善だ、ふざけるな!」  男は少年の胸ぐらをつかんだ。  「僕はお前が可愛い。だがな、あまり調子にのるなら、お前を刻んでもいいんだ。お前は可愛い、だから絶対に殺さないし、殺させない。だけど僕はお前を痛めつけられないわけじゃないぞ」  男は言った。  納得する。  この男は少年をバラバラに敵に刻まさせたのだ。  そして不安になる。  本当にそうするかもしれないからだ。  酷く痛めつけて、後悔し、甘やかす。  そういう男だ。  殺すことだけはないだろう。  だが、それ以外なら何でもあり得るのだ。  「・・・いいよ、俺を刻めよ」  少年は言った。     逆効果だ。   そんなことを言えば余計に怒らせる。  私はあの男と付き合ってきた。  私はあの男のお守り役だからだ。  何度も危険な目にあい、部下を殺され、傷つけられ、あの男の取り扱いを学んだ。   少年のやり方は危険すぎる。  「・・・バカにしてるのか、本当に刻むぞ。僕が本当にそうしないと思っているのか?」  男は言った。   怒りに震えている。  いけない。  怒りで我をわすれてる。  本当に刻まれる。   この男は狂っているのだ元々。  どんなにマトモに見えても。  「いいよ。お前なら抱けるとか、お前なら刻めるとか、俺の前で言うくらいなら、俺を刻めよ」  少年は言った。     少女の頭を大事そうに地面に置きながら。  「あんたがそんなに女が好きだとは知らなかったよ」  少年は傷ついたように言った。  形勢逆転。  「違う違う違う。そういう意味ではないんだ。浮気じゃないんだ。違う!!」  男が焦りはじめた。    これは少年の勝ちだ。  

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