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懇願 1

 あの人は綺麗だ。  こんなに酷く扱われている時でさえそう思ってしまう。  頭を押さえつけられ、喉を犯されている。   苦しい。  苦しい。  床に這いつくばり、座ったあの人のモノを喉奥に刺され、頭を押し付けられ、苦しさに身悶える。  「お前、穴だけじゃなく、喉もいいな」  あの人はかすれた声で俺の頭を押さえつけ、腰を揺らしながら言う。   それが本当に良さそうな声だから、スゴく綺麗な顔を蕩けさせているから、苦しいけれど、もういいかと思ってしまう。  それに、俺だってあの人の喉とかを、犯したいって思ったことがないわけではないんだ。  あの綺麗な唇に咥えさせたいとは何度も思ってきたし、苦しむあの人の喉を犯す妄想は・・・実は何度もしている。    「ウゲェ」  色気もない苦痛の声と、喉奥をこすられてせり上がる吐き気。    「・・・はっ」  あの人が楽しそうに笑う。  俺の苦しむ顔に欲情しているのだ。  喉の奥で爆ぜた。    「飲んで」      命令される。    えずきながら飲む。    そして言われなくても、あの人のそれを綺麗に舐めて、吸う。  あの人は嬉しそうに笑っていた。  優しく髪を撫でられる。  「・・・喉ばっか・・・もう何回目だよ、もう嫌だ」  俺はさすがに抗議する。    女を消し去った後、この人はスーツに「どこでもいいから部屋を用意しろ」と要求し、すぐ近くのオフィスビルの一室に俺を連れ込んだ。  何にもない部屋だ。  ベッドも何も。  でも、少なくとも密室だ。  現場で犯されていた頃よりはマシだ。  この人なりに気をつかってくれるようになった。  ちょっと前まで、下手すれば公衆の面前で犯されていたから。  でも、無理やり口でされるのにももう慣れてるけど、喉犯されるのも慣れてるけど、そればかりって・・・。  俺もあの人も、まだ服さえ脱いでいないのだ。  「僕は構わない。お前は喉でも気持ちいいからね。・・・開けろよ」  あの人はやっと抜いてくれたそれをまた口の中に入れようとする。  顎は痛いし、もう本当に辛い。  辛いんだ。  そこで気づく。  これは嫌がらせだ。    こんなに苦しいのに、それでも俺の身体はこの後してもらえることを期待して、ガチガチに勃ち上がり・・・不本意だけど後ろの穴さえひくついているのに・・・、それをわかっててこうしてるんだ。    「ほら、ガキ、口あけろ。お前は喉でも気持ちいいでしょ」  あの人が言う。  俺はもう嫌だと首をふる。  喉で気持ちいいわけがない。     「ほら、あけて・・・」  でも優しく囁かれて唇を撫でられると、口を開いてしまう。  「・・・ああ、お前やっぱり可愛い」   あの人は甘く微笑んだ。  俺だけだ。  こんな顔知ってるの俺だけだ。  それにたまらなくなる。  あの人のモノはもう勃ちあがっている。  あの人はこんなとこまで綺麗で、俺はあの人のコレが好きだ。    喉なんかに入れないで、唇で舌でめちゃくちゃに可愛がってやりたいのに。  この人は俺にペースを握らすと、俺にヤられると用心しだしたので最近はそんな風にさせてもらえない。  この人だって、本当は凄く快楽に弱い身体だからだ。  この前触らせてくれた時の喘ぐ姿を思い出し、僕のモノがまたうずく。  喉にまた押し込まれた、息が止まる。  苦しい。    「うえっ、うぐっ」  俺はうめく。  そこであの人が育つ、大きくなる、苦しい。  「苦しいだけじゃないでしょ・・・」  あの人が頭をおさえつけながら囁く。   苦しいよ。  苦しいだけだ。    「僕にこうされるの好きでしょ?」  喉を突かれあげそうになる。  でも、俺達は食べることをしないから出すものはない。  好きじゃない、こんなの好きじゃない。  だからしてるくせに。  俺をいじめるためにしているくせに。

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